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ミツゴ評価 ☆☆☆☆
<書評>オーストリアさん家の家庭事情
♪丸かいて うさぎ、丸かいて うさぎ 丸かいて うさぎ 僕 ぼたすきぃ~ フュー!
ハプスブルク帝国の栄光と衰退の1冊
「帝国」とは何か?それは多種多様な民族や勢力が1つの国、1人のリーダー(皇帝とは限らない)の下に 存在するスタイルの国 とも言えそうだ
例えば 中国清朝、チベットはラマ教徒である清朝帝室(満州族)と信徒と施主という契約を結んでいた
モンゴルとは モンゴル王族と血縁関係、つまり親戚同士の「一族」という繋がりだ
だから モンゴルは清朝滅亡後、中華民国とは血縁関係が切れたと さっさと独立した訳だ(領土に関する中国政府がいう歴史的正当性なんて、その程度のモノだ)
ハプスブルク帝国もこれに似た経緯がある
東欧諸国 特にハンガリーやチェコなんかは オスマントルコ、そしてロシア帝国の圧力に苦しめられた歴史がある
セルビアあたりは言わずもがな
しかし 単独では トルコやロシアには対抗できない、ならば強い国の下に入って その中で自治権を甘受した方がいい、という流れになってくる
それがハプスブルク帝国だ、だから 帝国下ではちゃんとハンガリーやボヘミアといった国はあるし、議会もある(王様がドイツ系、というだけの話)
マリアテレジアがプロイセンと戦争した時(7年戦争)は ハンガリー議会に援助を泣き付いていたりする
話がややこしくなるのは19世紀、民族運動が激しくなって「もっと自治権くれ」となってきたあたり(独立させろ、ではない)
例えば「チェコの役人は(帝国共通語の)ドイツ語以外にチェコ語も話せ、話せなきゃ役人やめろ」これは当たり前(ターフェ勅令)
だがチェコの役人にはドイツ系が多く、彼等はチェコ語を話せない、つまり失業の危機だ
しかしチェコ人はドイツ語がペラペラだったりする
つまり「民族の尊重」は支配階級ドイツ人には甚だ不満、となる
また ハンガリーに(軍事と外交、財政以外の)自治権を与えた、所謂オーストリア=ハンガリー二重帝国だ
ならば 「俺にもよこせ」と他の民族も言ってくる、当然グダグダだ
ならば 国内の少数民族を力で押さえ込めば?となる
しかし 支配層のドイツ人ですら全体の25%(だからハンガリー人と妥協した) おまけにロシアやドイツ帝国と向き合う以上、少数民族の協力による国内の統合が不可欠となってくる
ナショナリズムという自己主張が強くなる中 いかにバランスをとるか?これがハプスブルク帝国の末期、と言えようか
なんか片寄った内容になったな
本書を読むと、ハプスブルク帝国の歴史とは「個人の歴史」と思わされる
つまり ハプスブルク家の人間のペルソナ(人格)がダイレクトに反映されている、と
勿論 忠臣や名臣は出て来る
が 彼等をピックアップしたのもやはりハプスブルク家の人間だ
ハプスブルク家の歴史はヨーロッパ(そして世界の)歴史でもあった(有名なフェリペ2世もハプスブルク家出身)
ハプスブルク家の滅亡も 歴史の転換だった、と思える1冊
