国債は(安全だけど)儲かりません!

 いや、決して国債を批判するわけではありませんが、利ざや商売の銀行が国債を買いまくっても必ずしもメリットが少ないということです。

 では何故、銀行は国債を買うのでしょうか?ここではBIS規制を中心に見てみたいと思います。

 

 通常、銀行がつぶれて、預金が返せない、融資ができないとなれば、個人レベルでも社会レベルでも大きな混乱がおきます、だからなるべく銀行をつぶしたくない、つぶれるような銀行と取引をしたくないという欲求が出てくるのは当然のことです。

 そこで、「銀行は一定以上純資産をもとう」という取り決めが国際的になされました、これがBIS規制です

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%B1%BA%E6%B8%88%E9%8A%80%E8%A1%8C

 一般的に国際的な銀行なら純資産の割合は総資産の8パーセント、国内的なら総資産の4パーセントとされています。

 これは逆説的には国際的な銀行なら純資産1に対して総資産が12・5しか持てない、つまり銀行が預金を集めて、融資をすることの足かせとなります。

 もっといえば、この割合が12・5を超えていた場合融資を減らさなければならない、いわゆる貸渋りがおきた要因だったりしますが・・・・・


 さて、本題、もしあなたが預金をするとして、銀行の安全性を純資産(自己資本)で見たいとします。

 A銀行は国債を100億円、B銀行は明日にでもつぶれそうな会社の株ばかり、100億円持っていたとします、どちらに安全性を感じるでしょうか(A,Bの資産規模は同等とします)?

 まあ、A銀行ですわな、B銀行の純資産は相手先の会社がつぶれれば紙切れになっちゃいますから


 つまり、同じ規模の資産でも資産の内容によってその安全性は大きく異なってきます。

 そこで、出てくるのは「リスクウェイト」という話です、つまり、資産の安全性を評価して何処まで資産としてみなすか?という話です

 一般的に自国の国債や現金はリスクがほとんどないとみなされ0パーセントです、住宅ローンは50パーセント、民間の貸し出しは100パーセントです

 具体的な数式を出すと

 自己資本比率=自己資本÷リスクアセット×100

 となります。

 

 さて、世界的に金融機関は08年のサブプライム問題と金融危機により資産が減少して、自己資本比率が低下しています。

 また、金融危機の影響で、「安全」をもとめる声が強くなっています。

 つまり、低下した自己資本比率を上昇させたいと考えるようになってきました。

 自己資本比率を上げる方法は二つ、上の数式を見てもらえればいいのですが「自己資本を増やす」「リスクアセットを減らす」ということです。

 まずは、前者、そもそも「自己資本」とは「返す必要性が少ないお金」といえます。

 つまり、「人から借りていないお金」、借金以外のお金といえます。

 過去の利益の積み増し(内部留保、剰余金)や株式の発行代金(資本金、資本準備金等)ですね。

 この中には「借りたけど、返す順序が少ない借金」つまり、劣後債も含まれます、これはほかの借金に比べて返す順序が後回しになる代わりに金利が高めな借金です。

 09年には大手銀行はこぞって劣後債を発行しています、もちろん自己資本を積み増すためです。


 さて、次に「リスクアセット」つまり分母の話ですが、先ほどあげたようにリスキーな資産ほど数字が高くなります、逆にリスクが少ない資産ほど数字が小さくなります。

 銀行としてはリスクウェイトを抑えたい、つまり、リスクのある資産を手控え、リスクの少ない資産を取得したいとなります、具体的には企業や個人への貸し付けを減らして国債の購入に充てたいということです。

 それゆえ、利回りが低いにもかかわらず、国債が売れるということです。