2000年2月26日生まれの“どんちゃん”
(ゴールデンレトリバー ♂享年15歳3ヶ月)
2000年 GW、子どものいない我が家にやってきた。
(子どものいない経緯は「復讐」シリーズで書いた通り)
子ども?友達?天使?神様?
圧倒的な存在感だった彼(どんちゃん)。
どんちゃんが天国へ旅立つまでの七日間を綴ろうかなと。
読んでもらえると嬉しいな(*´∀`*)
2015年6月5日
本を読むでもなく、ただただ彼の傍にいて声をかける。夫が買ってきてくれたおにぎりを食べる。トイレに行くのも気が気じゃない。
「どんちゃん、オシッコ行ってくるな。すぐ帰ってくるからな」
寝たきりになってからも、寝ころんだまま排泄するのを拒んでいるかのようだ。
「どんちゃん、ええんやで。オシッコ出したらええんやで。」
アタシは彼のお腹のあたりを擦る。彼は、気の毒なぐらい申し訳なさそうにペットシーツいっぱい排泄した。下になっている身体がオシッコで濡れてしまうのは致し方ない。身体の向きを変え、彼の身体を綺麗に拭く。ペットシーツがなくなったらオムツにしてあげようかな。そんな日が来るだろうか。いやいや、来る。絶対来る。
テレビ画面から流れるキャスターの声が耳障りだ。かと言ってテレビを消すと、彼の苦しそうな息づかいだけがクローズアップされて、アタシも参ってしまいそうだ。
そうだ、iPhoneで音楽を流しておこう。アタシは、伊藤銀次さんの声を選んだ。優しい。銀次さんの声が、どんちゃんとアタシを包み込む。静かに、心に染み込んでいく。
(神様、お願いします。どんちゃんが旅立つときには……どうか、どうかラクにいかせてあげてください。神様、お願いします。どんちゃんを優しく迎えに来てあげてください。)
苦しそうな息づかいは、彼がまだこの世に存在していることの証でもある。身体や頭を撫でる。彼はパチパチパチと瞬きをして応えてくれる。
初めての長距離ドライブの旅。大好きな川遊び。散歩中のハプニングの数々。
思い出があふれ出す。ブログに彼のことを書こうかな。アルバムを引っ張り出し、思い出の欠片たちをiPhoneカメラに収める。
「どんちゃん、ありがとうなぁ……」
声に出すと、条件反射で涙のダムが決壊した。