1 甲の罪責について、
(1) 建造物侵入(130条前段)
(2) 金庫につき器物損壊(←薄く消した) 窃盗(235条)
(3) 非現住建造物放火罪(109条1項)が成立するか。
 B社は誰も住んでいないし、現に誰もいない。非現住建造物。
 甲は火がついているのに、その法益状態を悪化させずに立ち去るという期待された行為をしないという不作為を行っている。これが、非現住(ryの「焼損」といえるのか、不真正不作為犯の実行行為性が問題となる。
 そもそも、実行行為とは・・・不作為によってもこの危険性を生じさせること可能。
 もっとも、不作為は無限定で自由保障機能を害するから、作為と同価値の不作為のみが実行行為足りうると解すべきであり、作為と同価値とは、一定の保証人的地位に基づく法的作為義務に違反した事をいうと解する。
 そして、作為犯は実行行為により危険を創出し、法益を排他的に支配するものである。
 このことから、①危険を創出し、又は法益・危険源の意識的引受けがあり、②法益を排他的に支配している場合に保証人的地位に基づく法的作為義務が発生し、③作為が容易で可能であるのにしなかったことが、この義務の不履行を基礎付け、①②③が認められた場合に実行行為性が認められると解する。
 本問では、甲が物色しているときに自分の行為で書類を落としたから危険を創出したといえる(①)
 んで、B社には誰もいない、この法益を左右しうるのは甲のみであるから法益の排他的支配あり(②)法的作為義務あり。
 近くに消火器あり消せるのにしていないので(③)義務の不履行あり。
 実行行為性が認められ、「焼損」したといえる。
 全焼しているのでけ結果はあり。
 もっとも、途中で丙がB社に来ている。ここで消すことが可能であった。このことから因果関係が認められないのではないか、その判断基準が問題。
 そもそも、因果関係は処罰の適正化を図るためのものであるので、その判断基底を限定せず、行為の危険が結果へと現実化した場合に因果関係ありとすべき。これで、介在事情を適切に判断して因果関係を見るべき。
 本問で石油ストーブ、石油を溜めている、火の回りは早くなっちゃう。丙が来ても自分のせいで火事と思って逃げることはありエール。介在事情として異常性は小さい。丙の介在は後述するように不作為。不作為なんて結果への寄与度全然無いよね。
 火のまわり早いんだから、こういった行為から結果が現実化したっていえる
 因果関係あり。
 故意あり
 したがって、非現住建造物放火成立

2 乙の罪責
 乙は甲からの援助の要請を受けて、鍵を空けておく約束をして、実際jに鍵をあけている。んで、甲は住侵・窃盗・放火をしている。
 乙にこの3罪の幇助犯が成立するか。
 まず、乙は甲と約束して、鍵あけているので、実行行為以外の方法で正犯の実行行為を容易にするる行為をしているので「幇助」はある。
 そして、甲は実際に住侵・窃盗・放火をしているため結果あり。
 しかし、 乙はA社の鍵を開けただけで実際甲が3罪を犯したのはB社においてである。
 この幇助は何にも役に立っていない。かかる場合因果関係があるといえるか。
 そもそも、共犯の処罰根拠は共犯が正犯を通じて間接的に法益侵害を惹起する点。
 ゆえに、因果関係が必要。
 そして、幇助の本質は実行行為以外の方法で正犯の実行行為を容易にする点。
 そこで、幇助行為と実行行為の間に、実行行為を容易にするという因果関係が必要。
 本問では、鍵を開けたことは物理的には何にも役に立っていない。物理的因果性はない。
 もっとも、甲の援助要請に対して協力する旨の約束をしていることから、これにより甲は犯意を強固なものとしていると考えられるので、心理的に実行行為を容易にしたという関係が認められる。
 したがって、因果関係あり。
 もっとも、乙は、住侵・窃盗までは予定しているものの放火までは予定していない。
 3罪とも成立するのか。
 思うに、かかる場合は、幇助犯の主観面に応じた正犯の客観面の、構成要件該当性の問題であると考える。
 そして、構成要件は、法益侵害行為を類型化したものであるから、その該当性は、①保護法益、②行為態様で判断すべき。
 本問で、住侵、窃盗までは当然おk。放火は公共危険罪、住侵窃盗の故意つまり管理権や財物の法益、かさならない。行為も。
 したがって、住侵・窃盗の範囲でしか重ならず、この2罪の幇助が成立しうる。
 もっとも、本問では、乙は、A社に対しての住侵・窃盗の故意。実際はB社。
 かかる場合に故意が認められるのか。
 そもそも、故意責任の本質は直接的な反規範的人格態度に対する非難であり、規範は構成要件の形で与えられているのであるから、同一構成要件該当事実の認識さえあれば非難可能であり故意が認められると解する。
 本問では、およそ「建造物」に対する故意、およそ「物」に対する故意はある。
 したがって、故意が認められる。
 よって、建侵・窃盗の幇助

3 丙の罪責について
 丙に非現住建造物放火成立するか。
 法益状態を悪化させずに期待された行為をしないという、不作為だから、前述の①②③の規範で判断する。
 ストーブの消し忘れに起因、危険の創出あり(①)
 誰もいねーから法益を左右しうるのは丙のみであるから、法益の排他的支配あり(②)。さくいぎむあり。
 消火器が近く、可能であったのにしない(③)。義務違反あり。
 実行行為あり。
 結果・因果。故意問題なし。
 したがって、成立。

4 罪数
 甲は①建侵②窃盗③非現住放火で①と②③は手段目的で牽連犯
 乙は①と②の幇助が成立して、これを一個の行為でやってるから観念競
 丙は放火。
 


むっちゃ書く事おおかった希ガス

不作為と因果関係は、形式的三分説、折衷的相当因果関係説でいこうかなとおもったが、不作為を三分説にするのはおもしろくないし違う説にして、因果関係は当てはめにくいと思ったから、論証曖昧やけど危険の現実化にした。
時間と量と処理が勝負の決め手かなという感じ。
第1問はそれなりにできたけど第2問がやばい。