歳をとるにつれて、単純な人間になってきた、と感じる。

若い頃は少し複雑だった。たとえば大学生の頃、理由はよくわからないが晴れの日より曇りや雨のほうが好きだ、などと思っていた。あるいは、そう思いたがっていた。

太陽より、月が好きだった。

最近は、当たり前だが晴れの日が好きだ。それどころか、1分でも長く、太陽の光を浴びていたい。よく晴れた真昼、青空を眺めながらジョギングすること。日当りのいい窓辺で好きな本を読むこと。そのふたつが、今の生活の中で、最高の快楽だ。

日が沈むと残念だが、仕方ない。また明日晴れたらいいな、と願いながら、早く寝る。

自分がしあわせなのかどうかなんて知る由もないし、興味もないが、なんといっても太陽は永久的気に無償だ。それを素直に楽しめるということは、とりあえずすごくありがたいことだ、と思う。