生きている人と死んだ人の違いとはなんだろう。端的にいえば、時間を持っているかどうか、ということだと思う。各自の持ち時間が尽きたときが、死だ。

そう考えると命というのは時間である、ということになる。時間を使うことは命を消費することだ。仕事をしているときもテレビを眺めているときも眠っているときも、僕らは少しずつ死んでいる。

たとえ時給850円のアルバイトでも、給与は細かく分割された命と引き換えに手に入れたお金だ。望むと望まざるとにかかわらず、僕らは命を賭けて仕事をするしかないし、命を賭けて遊ぶしかない。

しかし、それにしては、いのちがけで生きていると実感できる瞬間は、なぜかとても少ないのだ。