最近、古い映画をDVDで観るのが楽しくて仕方がない。なんでもっと早くこの楽しさに気づかなかったのだろうと思うと、くやしくなる。


最近よく思うのだけれど、本や映画といったフィクションは現実逃避の手段でも退屈な現実を補完するためのものでもなく、現実の人生と相互に影響し合う触媒のようなものなのではないか。充実した生活を送る者ほどフィクションをより深く味わうことができるし、フィクションを楽しむ者はそこから得たエネルギーによって現実の生活を照らされる。少なくとも、一流のフィクション作品にはそのような力があるように思う。