こういうことを言うと嫌がる人がいるかもしれないけれど、けっきょくのところ、マイナーなものよりはメジャーなもののほうが優れていることが多いのは事実だと思う。多くの人に評価されているものには、それなりの魅力がある。数字の持つ力はとりあえず何よりも強い。
だからといって、たとえばバッハがAKB48より劣っている、などと言うつもりはない。このこともまた、数字が証明している。たしかに2011年の日本に限って言えば、バッハを好んで聴く人の数は決して多くはないだろう。しかし、世界中ですでに死んだ人、あるいは100年後ぐらい先に生きている人の数も含めれば、バッハの愛好者は圧倒的な人数となるに違いない。僕が言う「すぐれている」という言葉は、そういう意味だ。
つねに古典が新作よりすぐれている、などと言うつもりもない。未来において古典になり得る新作ならば、それは古典に比肩し得る価値をすでに有しているということなのだから。
僕も30を過ぎた。それほど暇なわけでもない。10年経てば風化するような音楽や本のためには、極力時間を割きたくはないものである。