夜中に近所をジョギングしていたら、いつも閑古鳥が鳴いていた畳屋さんの灯りが煌々と輝いていて、30過ぎと見える色の白い癇の強そうな職人が、ひとりで黙々と畳をつくっていた。年末だから忙しいのだろう。男はべつだん男前ではないし、畳づくりの名人とかいうわけでもないけれど、それでも夜を徹して青い草に針を打ち込む姿は静謐で、それでいてどこか鬼気迫るものを感じさせて、ひどくかっこよかった。人知れず静かに戦う人はなべて、美しい。