一目ぼれというものがあってもいい、と思うようになってきた。


昔はきらいだった。見ただけで(あるいはほんのちょっと話しただけで)人を好きになるなんて、なんだか軽薄だ。誠実さも知性もない。実際、僕が人を好きになるのにはいつも時間がかかり、あとから振り返ってみると第一印象ではさほど好きではなかった人を、すっかり愛してしまっていたりした。


30歳を過ぎた今も、一目ぼれを本格的に体験したことはまだない。けれど、そういうものが起こってもおかしくないような気が、最近はしている。経験を積み重ねることによって、愛せそうな人を判断する能力が、多少なりとも鍛えられたてきた、ということもいえそうだ。


一つの傾向として、「一目ぼれなんて信じない」と言い張るようなタイプの女の人に、僕は一目ぼれしそうになる。だからなんだと言われると困るのだけれど。