「いいひとといいおとことは違うのよ」「おれはどっち?」と訊けず朝焼け


たとえばこういう歌を書いたとき、作者である僕の頭の中にはある情景がはっきりと浮かんでいるわけだけれど、読者の心には全く別の映像が結ばれていることもあるだろう。でも、それでいいのだと思う。俳句や短歌といった短い形式の詩では、作者が一方的にある世界を提示するのではなくて、作者と読者とが手を携えることによって、はじめて作品が完成する。読者の数だけ、それぞれ異なった作品世界がこの世に生まれる。もちろん広い意味で考えれば、長編小説や哲学論文でも同じことなんだろうけれど。


というわけで、どうか好き勝手に想像してください。たとえほんの少しの時間であっても、その想像があなたを楽しい気持にするならば、僕としてはそれ以上に嬉しいことはない。