二年の時が変えたものは

彼のまなざしと 私のこの髪


        ――竹内まりや 「駅」


昔僕は歌詞のこの部分を「5年の時」と間違って覚えていて、「5年間も昔の恋人のことを覚えてモヤモヤしてるなんて、ちょっとしつこい女の人だなあ」と思っていたのだけれど、正しくは2年であると知って、なるほどさもありなんと納得したのであった。1年では大して人は変わらないし、3年経つと全くの別人になってしまう。その中間の2年だから、この歌詞が活きるのである。そういえば、人の身体の細胞というのは、だいたい3年間で丸ごと新しく入れ替わってしまうのだと聞いたこともある。


僕はおよそ2年間ブログを放置していたわけだが、この「二年の時」が変えたものは何であろうか? なんてことを具体的に発表するつもりはないのだけれど、まあ、けっこう変わったと思う。多分、2年前の自分と会話をしたら、軽い口げんかにはなるに違いない。


なぜ変わったのかと考えてみると、それは読んだ本だとか、見た映画だとかの影響ではなくて、公私両方の人間関係の変化であった。改めて文章にしてみると余りにも当たり前すぎて馬鹿馬鹿しくなってしまうが、人を変えるのはけっきょく人しかない。人間の個性などというのは実はとても曖昧で頼りないもので、どんな環境に身を置くかによって簡単に変わってしまうのだと思う。本当は、せめてもう少しぐらい、今の自分は自分自身の意志によって創り上げてきたものだ、と言ってみたいものだけれど。


つまり、何かしらの変化を自分に与えたいと願う人にとって、一番手っ取り早い方法はそれに相応しいと思われる環境に身を投じることなんだろう。環境が変われば生まれ変われる、という「自分探し」的な幻想はどうも好きになれないが、同じ環境に安住しながら善き変化が空から舞い降りてくるのを待つ日和見主義よりは、幾らかマシである。モーツァルトにしても、ジョイスにしても、イチローにしても、天才たちはどんな環境にあっても一流の才能を発揮できたに違いないが、なおかつ自分にとってより適した場所を貪欲に求めてやまなかった。


さて、次の「二年の時」は、どんな風に僕を変えるだろう?


(あ、また2年ブログを放置するわけじゃありませんよ)


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↑言わずと知れた名カバー。ちなみに僕はこの人に歌声が似ていると言われたことがなんどかあります(!)。