晩夏(2)夏休みが終われば夏も用なしねとつぶやく君に秋風を見る 王朝和歌の常套技巧に、「秋」と「飽き」をかけてこの憂いの季節を彩るというものがある。言ってしまえば駄洒落なのだが、肌寒い風が吹き迷いだす初秋の風情と、恋の終わりへの不安を重ね合わせるのはイメージとしてあまりに自然で、現代人にも無理なく感得できるというものだ。それでいて、多くの植物が実りを呈するこの季節は同時に恋が成就する時としてもみなされていたのだから、古代人の発送というのは、正直に曖昧で、面白い。ところで早く本物の秋が来てくれぬものか。