ヴィヴァルディ:協奏曲集〈四季〉/イ・ムジチ合奏団
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中学生のころ、生まれて初めて買ったクラシックのCD。いわずと知れた名曲だが、あのころは「春」以外の3曲を全て知っていることを誇らしく思っていた。我ながら気障な子供だと思う。CDを持っていること自体で満足してほどなく聴き飽きてしまったものだが、最近また、仕事をしながら聴いたりするようになってきた。


昔も今も、いちばん好きなのは傑作の誉れ高い「春」でも「秋」でもなくて、「冬」。身を切るように冷たく冴え渡る第1楽章、室内を温かく照らす暖炉の静かに散らす火花の音まで聞こえてきそうな美しい第2楽章、最後にちらりと春の訪れを暗示して終わる粋な第3楽章と、どこにも瑕がない名曲だ。とりわけ第2楽章全体を流れる優しいメロディといったら、古今これまでに書かれた全ての音楽の中でいちばん美しいものの一つではないかとさ言いたくなる。瑞々しく実った柑橘の肌を思わせるイ・ムジチ合奏団の流麗で爽やかな演奏も良い。