白きまま紫陽花くちて空青し


通勤のとき自転車で通りかかる工場の脇に、ひとむらの紫陽花が植わっている。ひっきりなしに巨大なトラックが地響きを立てる二車線道路の傍らで、花を覆った分厚い埃は、恵みの雨を浴びてもなおその灰色の死化粧を色濃く残している。青へ、桃色へと彩を移すために用意された彼女の時間は、速度が支配する路傍で空虚に費やされてゆく。