先日、会社の先輩と一緒にボーリングに行った。
先輩は4、5歳になる女の子を連れて来ていて、この子は見学になるのかなーと思っていたら、なんとボーリング場には、幼児用のボールというのがちゃんと用意されていて、その軽いボールには、小さな穴が5つ空いているのだった。幼児は小さな手の全ての指をこの穴に入れて、ボールを放るわけである。
もしかしたらこれは子持ちの方にとっては当たり前の事実かも知れないが、僕にはとても新鮮だった。しかし、考えてみれば、人間の指の数だけボールに穴が空いている、というのはそれほど不思議なことではなくて、寧ろ3つだけ穴が空いているのと比べたら、自然であるとさえいえるかも知れない。
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だって、そうだろう。もし人類が滅んだ後、どこかの宇宙人が地球にやって来て、廃墟から穴が三つ空いたボーリングの球を見つけたとしたら、
「ははあ、前にこの星で生息していた文明人は、指が3本であったのだな」
と推測するに違いないではないか。
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ボーリングの歴史について僕は全く無知なのであるが、きっと、ボーリング(のようなスポーツ)が考案された当初は、ボールに穴など空けていなかったんだと思う。しかしそれだと投げにくいので、穴を空けた。おそらく最初に空けた穴の数は5つだったような気がする。最初から3本の指でボールを持とうなんて、誰も考え付くはずがないからだ。その後、紆余曲折を経て、今の形に落ち着いたんだろう。
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大学生の頃、ボーリングを2回しかしたことがないという女の子に会ったことがある。彼女の投げるボールはどれもとてつもないカーブがかかっているので皆が不思議に思っていたのだが、よく見たら彼女は人差し指、中指、親指の3本でボールを持っていたのだった。誰も正しい持ち方を教えてくれたかったんだという。
その後テレビで見たのだが、この持ち方をすると誰でも強烈なカーブ・ボールが投げられるそうだ。
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僕はボーリングがあまり上手くない。だから1年に1回ぐらいしかボーリングをやらない。あるいは1年に1回しかやらないから下手なのかも知れないが、ここにこだわると卵と鳥みたいな論理的ループにはまりこんでしまうのでこれ以上は考えない。
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先輩の娘さんはボーリングをするのは初めてで、幼児用のボールすら片手で持ち上げるのがやっとという有様だったのだが、ビギナーズ・ラックとでもいうのかコントロールだけはむやみに良くて、ストライクを何本か出していた。告白すると、最初の何レーンかまで僕はガーターを連発し、彼女に負けていた。最後には何とか本気を出して凌いだものの、「後生畏るべし」とはこういうのを指して言うのであろう。