大晦日だからといって特別なことをするわけでもなく、いつの間にか日が暮れてしまった。


 昼過ぎ、家できしめん(味噌味)を食べ終えてモーツァルトのピアノ・ソナタを聴きながら猫と遊んでいたら、出し忘れていた年賀状が1枚見つかったので、もう間に合わないだろうなと思いながらしぶしぶ外へ。


 ポストに葉書を投函した後、スーパーの中の安いラーメン屋でラーメンを食べ、駅前のドトール・コーヒーで本を読む。僕は喫茶店で本を読むのが何よりも好きなのだ。注文するのはいつも、アメリカン・コーヒーのSサイズ。胃の調子の良いときはブレンド・コーヒーを頼む。


 持参した本は新潮日本古典集成から出ている「源氏物語」第3巻と村上春樹の「羊をめぐる冒険」の下巻。柿の種とピーナッツみたいな組み合わせ。「源氏」に疲れると「羊」を読む。「羊」に飽きると「源氏」を開く。露天風呂で熱い湯に漬かっては外で身体を冷ます、その繰り返しにも似ている。ささやかだけれど、確かな幸福。


 帰りにCD屋に立ち寄ろうと思ったが、店に入ると必ず散財してしまうのが目に見えていたので、断腸の思いでまっすぐ帰宅する。今週は既にCDを2枚衝動買いしてしまったところなのである。イリーナ・メジューエワというロシアの女流ピアニストの弾くベートーヴェンの「テンペスト」とシューマンの「幻想曲」のセットと、シャルル・ミンシュ指揮のラヴェル管弦楽曲集。両方とも素敵な録音だった。


 今はマリア・ジョアオ・ピリスの演奏するモーツァルトの前期のピアノ・ソナタ集を聴きながらこの文章を書いている。水彩画を思わせるようなとても透明感で素直なタッチが素敵で、大好きな演奏だ。こういう音楽に耳を傾けながら年を越すというのも悪くないと思う。けれど、吉田VS小川も気になるし、曙VSボビーも気にかかる。


 そんな雑駁な思いで過ごす、2005年最後の一日。


 皆さん、今年はお世話になりました。こんなブログを見にきてくれて本当にありがとうございました。来年もよろしくお願いします。


 それでは、どうぞ良いお年を……