最近、コタツを出した。僕は昔からコタツが好きで、一度入ったら二度と出ない。というのはもちろん誇張だとしても、気分的にはそんな感じだ。できることならば、コタツを背負ったまま外に出歩きたい。


 安い。温かい。落ち着く。机と一体化していて機能的である。など、コタツの持つメリットは枚挙に暇がないところであるが、その最大の美点は、設置するだけで確実に猫が寄って来るところだと思う。


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 何度か書いたことだが我が家の猫は気難しくて、おいそれとは僕に近づいて来ない。不用意に撫でると怒られることさえある。もちろんそれは僕が嫌われているからでは決してなく、若い猫の恥じらいの現れであり、もっと言えば愛情の裏返しなのであるが、もう少し素直になれよと思わないこともない。


 コタツというアイテムは、そんな彼女の生硬な羞恥心をあっさりと解いてしまう魔力を持っている。魔力? いやそうではあるまい。コタツの温かさは猫にとって口実に過ぎない。温かいコタツ布団にもぐりこむという口実の元に、猫は堂々と僕に近づくことができるのである。


 こんな風に書いていると、まるで僕が一方的に猫に愛されていると勘違いしている寂しい男のように見えるかもしれないが、決してそんなことはない。証拠だってある。


 猫はそもそも前足を器用に動かす動物なので、コタツにもぐりこむぐらいなら自分一人でできてしまうはずなのだが、僕がコタツに入っているときは、決して自分で布団をめくってもぐりこむことはしない。僕の近くに端座してにゃあにゃあ言ったりして、僕が布団をめくるのを待っているのである。それで、僕が布団をめくると、しばらく警戒したようにコタツの中を覗いた挙句、すっともぐりこんでいく。


 ……猫が僕を甘く見てコタツ布団をめくる動作さえ人任せにしている、という説もあるが、そんなの僕には聞こえない。


 猫が入ってくると、僕はコタツの温度を少しゆるめる。そうしないと熱過ぎてすぐに出て行ってしまうからだ。ちなみにコタツから出たばかりの猫の毛皮はとても温かくて気持ちいい。


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 コタツといえば猫であるが、蜜柑も忘れてはならない。蜜柑ほどコタツに相応しい果物はなかろう。他聞に漏れず僕も蜜柑は大好きで、食べ始めると4、5個ぐらい一気に食べてしまう。


 ところで、尾篭な話で申し訳ないが、蜜柑を食べると放屁しやすくなるのだという話をテレビで見た。なんでも蜜柑に含まれている豊富な食物繊維と空気が腸を刺激する働きを持っており、なおかつ腸で発酵しやすく、ガスを発生させやすい果物なのだそうだ。その番組では、早く放屁するという目的で蜜柑を食べていたぐらいだから、相当出やすくなるんだろう。


 すなわち、コタツにはいりながら蜜柑を食べているときは、放屁する可能性が必然的に高くなっていることになる。これは言うまでもなく非常にデンジャラスな状況だ。コタツ布団をめくった瞬間に終わる恋だってあるかも知れない。


 これからはより一層の注意を払いつつコタツで蜜柑を食したいと思う。