オーバー・ラン
帰りの電車が、僕の最寄り駅の一つ手前の駅で、オーバー・ランした。
たぶん5メートル程度のオーバーだったけれど、車内にほんの少し、しかし確実に、緊張感が漂った。
耳には聞こえないざわめきが立ちのぼった。
向かいのシートにかけたおっさんが、ニヒルな苦笑を浮かべた。
僕もつられて少しだけ笑った。
……願わくば、いま少し明るい連帯感の世に生まれんことを。
(幸いに、その後の電車の速度は尋常だった)
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感情教育
通勤中、フローベールの「感情教育」という小説を読んでいる。
けっこう分厚い文庫本が上・下巻と続いている、長い小説だ。
フランス人といえば恋愛にはとかく積極的・開放的なイメージがあるけれど、このリアリズム小説を読む限り、少なくとも19世紀のフランス人はそれなりに気の長い恋愛をしていたようである。
何しろそろそろ上巻が終わろうとしているのに、主人公のフレデリック青年は未だに恋するアヌルー夫人に告白さえしていない。それどころかもう一人の女とのあいだでウジウジ優柔不断に悩んでいる。
「めぞん一刻」以上のラブコメぶりだ。
安直な出会いをもてはやす近頃の若者に読ませたい。って僕も若者だけれど……。
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中性
僕の隣に座った人が、とても中性的な雰囲気の持ち主で、女性なのか男性なのか分からなかった。
眼鏡をかけていて、割と背が高く、痩せている。髪は耳にすこしかぶさるぐらいのショートカット。すっきりとした顔立ちで、男だとしたら色白の優男、女だとしたら少しボーイッシュな子、という感じ。
けれど、電車が駅に着き、立ち上がって僕の前を歩き出したその人の歩き姿を見て、彼女が女性であることがわかった。
男と女って、こんなに顕著に歩き方が違うんですね。ちょっとした発見でした。
ちなみに、僕もよく中性的と言われる。今年に入ってから、記憶している限りでは2回言われた。
まあ、どうでもいいことなんですが。
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長文ばかり載せているので、たまにはブログっぽい書き方をしてみたつもりなんですが、いかがでしたでしょうか?