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 デヴィッド・ニーヴン主演「天国への階段」(1946年)をみる。

 前回「死神」のブログ記事のときに記したイギリス映画「天国の階段」、遅ればせながらの鑑賞。
 

 これはファンタジーと言う分類に属する映画だろう。

 冒頭、広大なる宇宙が描かれる。きらめく星々・・そんな大宇宙の中に「地球」がある。
 画面は一転、第二次世界大戦中の現在、今まさに墜落しそうになっている英国の戦闘機。無線で飛行隊長(デイヴィッド・ニーヴン)が最後の通信を行っている。アメリカ婦人部隊の女兵土(キム・ハンタ-)がこれを受信した。
 生と死の境の会話で、お互いにまだ見ぬ他人同志、緊急の会話の中でふたりは愛にめざめるのだが、ニーヴンの爆撃機はついに英国沖で墜落した。

 死者の列に並ぶはずだった男が、手違いから地球に残され20時間の猶予を与えられた。そのあいだにイギリス人の兵士はアメリカ婦人部隊の娘に恋をする。
 天国から使わされたフランス人の死者(使者)がイギリス兵士を天国へ連れ戻そうとするのだが・・・。

 「現世」と「天国」を“モノクロ”と“カラー”を使い分けて、「愛する二人」と「天国の番人」のせめぎあいを描いている。

 彼は地上で生き続けて愛し合うことができるか、または運命のままに死者の列に加わり、二人は引き離されてしまうのか。審判の時が訪れる。

 結局一粒の「愛の涙」がふたりを地上にひきとめるわけで、「ロマンチック」なラストになっている。ただ、裁判で繰り返されるイギリス人とアメリカ人のお国柄のせめぎあいと言うか歴史的正義認識の相違についての饒舌な語り口は、ちょっと日本人の理解を越えているので分かりづらい。

 「死者」と「生者」の交信と言えば、「シックス・センス」や「ゴースト/ニューヨークの幻」「第七の封印」などがある。この映画も、天国から来た使者と主人公がチェスをするといったような場面がある。天国からの使者がこの世に現れるときには、現世の人物はストップ・モーションになるが、じっと動かずにいるのはつらかろう(笑)。

 ちょび髭を生やしたデヴィッド・ニーヴンがどう見ても青年兵士には見えなかったのだが…。