今回、オチャビの作品の中にデザイン・アート科出身で、映画作品を出展した人がいた。

宣伝ポスターはかなり本格的に作られていた。
タイトルのロゴ、画像のハイクオリティーなエフェクト、映画の宣伝ポスターらしさを象徴させるデザイン…
とても作品展の出展作品とは思えない規模である。
タイトルは、『描かれた夢』。
ただ『ともだち』がほしかった
シンプルながらも切実さの込められたキャッチフレーズである。
内容は、短編映画だったが、短いながらもとても奥深いものだった。

とある街中の路地裏。
そこに二人の少年が走っていた。

そのうち、一人の少年は足をとめて一旦戻ってきた。
そこには、放置されたゴミなどがあった。
そのうち、少年はあるものに目をとめた。
それは…

片目のないうさぎのぬいぐるみだった。
物語はここから始まる。

それから少しして、少年は再び去っていった。
その前に少年はそのぬいぐるみにある事をしていた。

なくなっていたうさぎの左目を書いてあげたのだ。
すると…

そのぬいぐるみが動き出した。
ふと見てみると、そこには先程の少年が自分の左目を書いたと思われるサインペンが残されていた。

ぬいぐるみはサインペンを手にとった。


そのサインペンを使い、近くにあった段ボールに目と口を書いた。
すると…

その段ボールも喋り出したのだった。
どうやらこのサインペンで顔を書くと生き物のようになるようだ。


ぬいぐるみはサインペンを空に掲げた。
ぬいぐるみは置かれていた冷蔵庫、テレビ、電子レンジ、ゴミ袋、傘にも顔を書いてあげた。
すると…

置かれていたものに命が吹き込まれたようにみんなが喋り出した。

友達がたくさんできて大喜びのぬいぐるみ。
しかし…

乗っかっていたゴミ袋に対して、下のゴミ袋が重かったらしく乱暴に地面にたたき付けてしまった。
たたき付けられたゴミ袋は、怒って中に入ってたゴミをぶちまけた。
ぶちまけたゴミは、近くにいた家電製品達にも当たり、家電製品達も怒り出してしまった。






ぬいぐるみは、ケンカしちゃダメだよ!と止めに入ったが、冷蔵庫がそれを突き飛ばしてしまった。


その勢いで持っていたサインペンが手から離れ、ぬいぐるみはそのまま気絶してしまった。
段ボールが代わりに止めに入ろうとしたが、これが悲劇の始まりとなった…
ぬいぐるみを突き飛ばした事に対して電子レンジが冷蔵庫を叱責していた。
その時…


感情のぶつかり合いが形になったのか、その間に火花が発生した。
そして…

その火花が段ボールに燃え移った。

段ボールはあっという間に燃え上がってしまった。
しかし、これは悲劇の序章に過ぎなかった。

段ボールを燃やした火花がさらに近くにいたゴミ袋にも燃え移ってしまった。
近くにいた傘にも燃え移り、火は瞬く間に広がっていった。

ぬいぐるみが気がつくと、そこには衝撃的な光景があった。
目の前にあったのは、容赦なく燃え広がる火に焼かれた友達の姿だった…
そしてその悲劇はぬいぐるみにも襲い掛かった。

燃え広がる火は、ぬいぐるみの右足にも飛び火した。


無我夢中で足をばたつかせると、右足がちぎれ、そのままぬいぐるみは再び気を失ってしまった。

倒れたぬいぐるみを前に燃えていく友達。
冷蔵庫は、今になってぬいぐるみにあんな事をしてしまった事を後悔していた…

それからしばらくして街は雨に見舞われた。
ぬいぐるみを冷たい雨が容赦なく濡らしていく。
その時…


誰かが頬を突いたのに気付き、ぬいぐるみは目を覚ました。

そこには、さっきまで燃えていたはずの友達が何事もなかったかのように笑顔で自分を出迎えてくれている姿があった。

『よかった。みんな無事だったんだね。仲直りもできたんだ。よかった』

今までにない嬉しさとたくさんの友達に包まれたぬいぐるみの目にはいつの間にか涙がにじんでいた。

その涙は綿だったのであろう。
わざわざ左目を映したのは、サインペンで書かれた目が本物になった事を強調するためだったのかもしれない。
それから少しした後…
ぬいぐるみは再び目を覚ました。
いつの間にか雨は止んでいた。

完全に燃えずには済んだものの、右足を失い、再び左目がなくなったぬいぐるみの目の前には悲しい現実が残されていた…

そこには、さっきの事が夢だった事が現されるように、すっかり灰と化してしまった友達の残骸があった。
灰と化した友達は、もう二度と声が聞こえる事はなかった。

全てを作り出してくれたサインペンも燃えてしまっていた。
ぬいぐるみには、生かされた事以外、何も残らなかった。
こんな事になるなら、自分もみんなみたいに燃えてしまいたかったのに…
そうすれば、ずっとぼくの『描かれた夢』の中にいれたのに…
ぼくはただ『ともだち』がほしかっただけだったのに…

路地裏は、ぬいぐるみの悲しみと寂しさと辛さの静寂に包まれていた…
約6分という短い内容ながら、とても奥深い気持ちを抱かせる作品である。
切なく悲しいながらもそこから感じ取れる美しさがあるのがアートというもの。
今回まで私は色んな切ない内容の作品に会ってきたが、今回は1番それを感じさせてくれる名作だと思う。

発表現場はそれを再現したジオラマだった。

場所などの理由か冷蔵庫までは再現出来なかったみたいだが、それでも主人公のぬいぐるみやサインペンなど、映画の内容を忠実に再現している。
どこにでもありそうなサインペンだが、この作品を機に見方が大きく変わりそうである。
私だったら目を書くよりもぬいぐるみを持ち帰る方を選ぶなぁ…
置かれていたぬいぐるみをそっと撫でながら私はそう思っていた…

宣伝ポスターはかなり本格的に作られていた。
タイトルのロゴ、画像のハイクオリティーなエフェクト、映画の宣伝ポスターらしさを象徴させるデザイン…
とても作品展の出展作品とは思えない規模である。
タイトルは、『描かれた夢』。
ただ『ともだち』がほしかった
シンプルながらも切実さの込められたキャッチフレーズである。
内容は、短編映画だったが、短いながらもとても奥深いものだった。

とある街中の路地裏。
そこに二人の少年が走っていた。

そのうち、一人の少年は足をとめて一旦戻ってきた。
そこには、放置されたゴミなどがあった。
そのうち、少年はあるものに目をとめた。
それは…

片目のないうさぎのぬいぐるみだった。
物語はここから始まる。

それから少しして、少年は再び去っていった。
その前に少年はそのぬいぐるみにある事をしていた。

なくなっていたうさぎの左目を書いてあげたのだ。
すると…

そのぬいぐるみが動き出した。
ふと見てみると、そこには先程の少年が自分の左目を書いたと思われるサインペンが残されていた。

ぬいぐるみはサインペンを手にとった。


そのサインペンを使い、近くにあった段ボールに目と口を書いた。
すると…

その段ボールも喋り出したのだった。
どうやらこのサインペンで顔を書くと生き物のようになるようだ。


ぬいぐるみはサインペンを空に掲げた。
ぬいぐるみは置かれていた冷蔵庫、テレビ、電子レンジ、ゴミ袋、傘にも顔を書いてあげた。
すると…

置かれていたものに命が吹き込まれたようにみんなが喋り出した。

友達がたくさんできて大喜びのぬいぐるみ。
しかし…

乗っかっていたゴミ袋に対して、下のゴミ袋が重かったらしく乱暴に地面にたたき付けてしまった。
たたき付けられたゴミ袋は、怒って中に入ってたゴミをぶちまけた。
ぶちまけたゴミは、近くにいた家電製品達にも当たり、家電製品達も怒り出してしまった。






ぬいぐるみは、ケンカしちゃダメだよ!と止めに入ったが、冷蔵庫がそれを突き飛ばしてしまった。


その勢いで持っていたサインペンが手から離れ、ぬいぐるみはそのまま気絶してしまった。
段ボールが代わりに止めに入ろうとしたが、これが悲劇の始まりとなった…
ぬいぐるみを突き飛ばした事に対して電子レンジが冷蔵庫を叱責していた。
その時…


感情のぶつかり合いが形になったのか、その間に火花が発生した。
そして…

その火花が段ボールに燃え移った。

段ボールはあっという間に燃え上がってしまった。
しかし、これは悲劇の序章に過ぎなかった。

段ボールを燃やした火花がさらに近くにいたゴミ袋にも燃え移ってしまった。
近くにいた傘にも燃え移り、火は瞬く間に広がっていった。

ぬいぐるみが気がつくと、そこには衝撃的な光景があった。
目の前にあったのは、容赦なく燃え広がる火に焼かれた友達の姿だった…
そしてその悲劇はぬいぐるみにも襲い掛かった。

燃え広がる火は、ぬいぐるみの右足にも飛び火した。


無我夢中で足をばたつかせると、右足がちぎれ、そのままぬいぐるみは再び気を失ってしまった。

倒れたぬいぐるみを前に燃えていく友達。
冷蔵庫は、今になってぬいぐるみにあんな事をしてしまった事を後悔していた…

それからしばらくして街は雨に見舞われた。
ぬいぐるみを冷たい雨が容赦なく濡らしていく。
その時…


誰かが頬を突いたのに気付き、ぬいぐるみは目を覚ました。

そこには、さっきまで燃えていたはずの友達が何事もなかったかのように笑顔で自分を出迎えてくれている姿があった。

『よかった。みんな無事だったんだね。仲直りもできたんだ。よかった』

今までにない嬉しさとたくさんの友達に包まれたぬいぐるみの目にはいつの間にか涙がにじんでいた。

その涙は綿だったのであろう。
わざわざ左目を映したのは、サインペンで書かれた目が本物になった事を強調するためだったのかもしれない。
それから少しした後…
ぬいぐるみは再び目を覚ました。
いつの間にか雨は止んでいた。

完全に燃えずには済んだものの、右足を失い、再び左目がなくなったぬいぐるみの目の前には悲しい現実が残されていた…

そこには、さっきの事が夢だった事が現されるように、すっかり灰と化してしまった友達の残骸があった。
灰と化した友達は、もう二度と声が聞こえる事はなかった。

全てを作り出してくれたサインペンも燃えてしまっていた。
ぬいぐるみには、生かされた事以外、何も残らなかった。
こんな事になるなら、自分もみんなみたいに燃えてしまいたかったのに…
そうすれば、ずっとぼくの『描かれた夢』の中にいれたのに…
ぼくはただ『ともだち』がほしかっただけだったのに…

路地裏は、ぬいぐるみの悲しみと寂しさと辛さの静寂に包まれていた…
約6分という短い内容ながら、とても奥深い気持ちを抱かせる作品である。
切なく悲しいながらもそこから感じ取れる美しさがあるのがアートというもの。
今回まで私は色んな切ない内容の作品に会ってきたが、今回は1番それを感じさせてくれる名作だと思う。

発表現場はそれを再現したジオラマだった。

場所などの理由か冷蔵庫までは再現出来なかったみたいだが、それでも主人公のぬいぐるみやサインペンなど、映画の内容を忠実に再現している。
どこにでもありそうなサインペンだが、この作品を機に見方が大きく変わりそうである。
私だったら目を書くよりもぬいぐるみを持ち帰る方を選ぶなぁ…
置かれていたぬいぐるみをそっと撫でながら私はそう思っていた…