7時15分。

私は総武線に乗り決戦の舞台へ向かった。

全てはこの時のため。

市川にとどまれたのもこの時のため。

私は総武線を降り、駅を出た。



会場にはたくさんの人達がいた。

公務員だけに、受ける人は尋常じゃないというわけで…

私もそのたくさんの人だかりの中の一人。

周囲は、やたら私服が多かった。

その中でスーツ姿の私は変だろうか…



…関係ないよね。





大勢がいる中、私はようやく手続きを済ませた。

結局たくさんいたがために受付の門限以降もたくさんの人が手続きをしていた。

マァ、おそらくニアピン以降になったら受付中でも門限になるんだろうけど。

公務員を目指すなら時間厳守は当たり前の事だ。

もちろん、『できない方がおかしい』という規模のものだろうが。

よくもまあ、今日という日は起きれたものだ…

あらためて試験場へ。



今にも朝ごはん(珍しく食べれた)をリバースしそうな緊張感の中、試験が始まった。

昨年は、こんな緊張感なかったっけね…

緊張感があるのは、この試験を本心はどうでもいいと思ってない証拠だけど、極端過ぎないか…?

こうゆうのが受験生の心境なんだろう。

だからこそスタリバ時代、移動中に路上でリバースしたんだろうか…(19の頃)



最初は教養科目。

これも『出来て当然』規模の試験。

大部分は、ここでふるい落としに合うらしい。

やっぱり一般知能が響くんだろうけど…

大学時代、数理科学を出来る限り真面目に受けるべきだったとあらためて後悔したのも昨年の事だ。



次は専門科目。

法学部でやった事があるはずだが、関東の公務員試験は大部分が経済だというから安心などできるはずがない。

ましてや私は、経済学が苦手だ。

文系科目だというのに、理系のようなやり方が問われたり、専門用語がわんさかあるのがその理由…

今のところどうにかできたと言える経済学者の問題がなかったのが痛い。

いかに経済学が法学以上に広いものだという事をあらためて痛感した。

法学の方もそう自信持って言えるほどの手応えはない。

というより、今日まで日本史以外手応えが思った通りになった事は一度もない。

私としては、法学部出身の癖して法学部らしい手応えを覚えなかったのがただ心残りでならない。



最後は論文。

これは二次試験の対象であり、今回のふるい落としには関係ない。

内容は、政策決定においてこうゆうやり方は有効かというものだった。

一応内容は具体的にあったのだが、非公開という形だったのでここまでにしておく。

もちろん私は本気で書き上げたつもりだ。

問題は、この論文が意味を持つようになるかだ。



昨年の論文は、ある法についての問題だった。

今年度行政法をやった時、その法そのものがあったのだが、その時、法の内容を全くわかってなかったのを悟り色んな意味でプライドがズタズタになったのは今でも覚えている。

今回は法学部とは関係なく、それなりに設問に合わせたつもりだがどうだろうか…



こうして最初の登竜門、一次試験は終わったのだった。





今回は一体どうだろう。

昨年と違い、今回はここが第一志望なだけにその心境は今まで以上だ。

とはいえ、公務員試験は東大試験以上の規模である事は昨年から前提にしている。

私は、それなりにやれたのだろうか…

終わった事である以上、後はもう発表を待つ他ない。

行きと同じ総武線に乗り、私は戦場を後にした。






ローカルの遅いペースの中、私はしばらく何もする気になれなかった。

移動中にこうゆう心境になるのは初めてかもしれない。

私はやり遂げたと言えるのだろうか。

私は結局どうだったのだろうか。

その時の心境は、始まる前とは別の不安げとこれでよかったという気になれない恥ずかしさが合わさったような感じだった。





市川で降りるまでの間、私の中では、『パズル』の旋律、試験の事、そしてメロエッタさんの事だけがよぎっていたのだった。






その日、私は私自身の顔を見れず、目ソレッタのようにつかの間の平穏を過ごしたのだった。