火曜日。

帰省日前日である。

今回の帰省は、早めかつ普通の事ではない。

今回の帰省は、どんな事になるだろう…

少なくとも、何も言われずに終わる事はあるまい。

早く市川に戻りたいと思うような事にだけはならないでほしいものだ…

ようやく故郷に就職したいと思えるようになった以上は…





2限目は比較憲法。

今回は韓国の憲法についてをやった。

韓国の憲法が制定されたのは、1987年。

それまでは、クーデターによる政権掌握が相次ぎ、独裁国家が続いていたのだ。

その後、学生による民主化により憲法が制定され、今に至る。

武力によるクーデターというのは、大概独裁となる。

軍が政治に介入するとそれが独裁のもとになるのだ。

文民統制の理由は、ここにある。

韓国では、憲法による判断により大きく変わった概念が色々と存在する。

日本でも廃止された姦通罪がその例だ。

姦通罪そのものが過剰な禁止なのではという意見が飛び交い、最終的には合憲というのが多数だった。

日本では、差別なので廃止されたのだが、この判断はどうなのだろうか。

他にも、日本語学習を選択科目から外す事は不公平だという事について、『それは憲法のカテゴリーではない』という事で棄却されたのもある。





4限目は不法行為法。

今回は、医療ミスに関する判例をやった。

不法行為というのは、因果関係があれば請求が認められるのが原則となっている。

薬物の副作用により、障害を負った事への損害賠償の訴訟において、判例は『専門の範疇や根拠ではなく、一般人が納得する証拠や慣習』だけで事足りる。

これは専門性のない事に付け込まれないようにするためである。



日本では、弁護士が少ない一方でアメリカは一番多い職業が弁護士だという。

その理由は、『確実に一攫千金できるから』だという。

アメリカの損害賠償は、名目だけでなく、懲罰的な損害賠償もある。

これは、『二度とやらないようにしないと』と自覚させる、言わば『思い知らせる』ための損害賠償だ。

アメリカにおける『罪の文化』から来ているのだろう。





5限目は知的財産法。

著作者についてをやった。

著作者というのは、その著作物を創作した本人が普通だが、概念上では様々な見解がある。

その著作物を出版会社が出版する場合、著作権はその出版会社に移る事になる。

『著作権は、○○に帰属します』という注意書きがその例だ。

作った本人が実質的な著作者だというのに不公平じゃないかと思うかもしれないが、これにはそれなりの理由がある。

著作物というのは、発明と比べて名乗り出る人が出やすいために、著作権の帰属先がわかりにくくなるのだ。

そのため、その著作権の不明確な存在を出来る限りなくして円滑に利用出来るようにするためにこうしているのだ。

著作権というのは、それほどわかりにくいものなのである。







講義をどうにか終えた私は、学校を後にした。

知的財産法の時、座ってられないほど昏倒しそうな状態になり、聞く事にも一苦労した。

万全じゃない体調でこうなるなら、万全の体調ならばもっと全力で取り組めるようにしないとね…



明日は帰省日である。

今の私が気になるのは、体調よりも私を故郷がどのように迎えるかだ。

今は体調よりも、そればかりが気掛かりでならない…


外はいつの間にか強い風が吹いていた。

明日は、体を引きずる形で帰る事は前提にしなくてはならない…