おばあさんの案内を終えた私はあらためて自宅を目指した。

台風の勢いはさっきよりもさらに強くなってきているのがわかる。

その証拠に傘をさしたらすぐに破壊されてもおかしくない強風が雨と共に襲い掛かっていた。

途中、雨宿りと突破を兼ねて店内に入ったりして進んでいった。

店内ルートの終盤に来た時、なんつータイミングなのか急に雨風の勢いが増していった。

台風とはこの事を言うのだろうか…

こうゆう強い雨は長くは続かない。

というわけで、私はしばらく待つ事にした。

…だが、いつまで経っても雨風はおさまらないどころかこれからさらに悪化するのではないかという様子だった。

仕方なく、私は全力疾走で雨宿りできる近い場所を目指した。





最終的に私は市川駅にたどり着いた。

途中、別の場所で過ごしたりもしたが、できる限り近い所にするために駅を選んだ。

しかし、これが全ての始まりとなった。

私が駅に着いた後、台風は暴風域に入り、今まで起こさなかった分が一気に放出されたように物凄い暴風雨を発生させた。

風ならともかく、雨の勢いもハンパではなかった。

これはさすがにこれ以上進めないなぁ…

仕方なく私はしばらく駅で待つ事にした。

駅はたくさんの人だかりだった。

どうやら総武線が見合わせになって帰路が足止めされた人達のようだ。

頻繁に停車する総武線も台風がこれほどの規模ではどうしようもない。

いつもはテレビを通して見掛ける環境を今回は直に見かける事となった。

せっかくなので、総武線が復旧するまで私も待つ事にした。

こうゆう体験も芯を強くするものである。





気がつくと私は3~4時間も駅にいた。

帰ろうにもあれほどの雨風の中を帰るのはさすがにできそうになかった。

わずか徒歩3分の距離さえも帰れない。

今回の台風はそれほどの規模だったのだ。





そして10時15分過ぎ…

ようやく総武線が完全ではないとはいえ各駅・快速共に運転を再開し始めた。

ずっと待ち続けて思った事…

それは私もその人本人になったように直にわかったような気がした。

いつもはテレビの外で対岸の火事みたいな受け止め方をしていたが、今回の足止めで待っている人がどんなに辛いかあらためて実感した。

誰かを思いやるためにはまず、その人になったような気持ちにならないとね。





総武線の早い復旧を祈り、私はあらためて自宅へと帰っていった。