全てが決まり、そして全てが終わって一晩…

私は起きる気力のない中、空虚感のみが残る朝を迎えた。

全てが決まったからとはいえ、いつまでも動かないままではいけない。

私はあらためて水道橋に向かった。

どんな形になれ、私には行かなくてはならない場所があるのだ。







2限目の講義『比較憲法』を終えた後、私は一旦水道橋を後にした。

5限目がまだ残っているが、私にはもう一つ行くべき所があった。








降りた駅は市川の隣の本八幡だった。

そこで私が先々週受けた試験の結果が掲示されているのだ。

大学試験の代表的な合格発表だよね…

ひそかに私はこういうやり方で発表に行くのは初めてだった。

有名大学を目指す人の心情があらためて伝わる。

私はもう後には引けないという心情の中、掲示場所へ向かった。













やはり、私はいなかった。

皮肉な事に、私が面接のシミュレーションで間違えて名乗った番号は合格していた。

番号が違う事に気付いてよかったのか、それ以前の問題なのか、私にはわからなかった。












私は受験票をその場で破いた。

こうなった以上、もう私には必要ないものだと悟ったからだ。

私はしばらく抜け殻になったようにその場に立っていた。













それからしばらくして、私はその場を後にした。

駅に着いた後、私は電車に乗らず、しばらく周囲の場所を見学していた。

今の私ができる事は、現実逃避だけだった。

今の現実と向き合っても何の意味があるだろうか…









総武線の線路を頼りに私は市川に戻る事にした。

基準点を見つけないうちに、総武線の線路だけを頼りに市川のある東側を進んでいった。

本当に今、市川のある方向に向かっているのだろうか…

基準点の建物を調べようにも、総武線の線路がある橋が視界を遮っており、確認できそうになかった。

ひとまず私は、しばらく東側に進んでいく事にした。












しばらく進むと、角の方に見覚えのあるような建物が姿を表した。

道を出てみると、そこにあったのは、さっき私が合格発表を確認した、私の目指していたあの建物だった。

戻ってきちゃったのか…

さっきまで私は市川とは違う方向に進んでいたという事に、ここに来て初めて気付いた。













結局逆戻りという形になったわけだが、その逆戻りは私に久々に明るい考えを持たせてくれた。

私は通っていた道がここに続いているとは、みじんも思ってなかった。

という事は、今回の逆戻りは『私がここに戻ってこれる』という希望がまだ残されているという事になるのでは…

今まで他人を巻き込むほどネガティブだった私が久々に明るい考えを持った瞬間だった。

だからこそ、これ以上極端な事をあの時しなかったのかもしれない。

受験票を破いた後、私はそれを結局捨てずに持っていた。

今回は受からなくてもまだ機会は残されてるからまだ諦めるわけにはいかないという気持ちがあるからなのかもしれない。








来年度も機会があるなら、受けたいものだ。

もう私が就きたい場所はここの他にないと思ってる以上、必ずまた受けたいと思う。

来年度もここに住みながら試験を受けられますように…

そしてその時こそ必ず…
















駅であらためて基準点を調べた後、私はあらためて市川を目指して本八幡を後にしたのだった。