西船橋から総武線快速に乗るために一旦船橋で降りた。

快速に乗る場所に続く階段を上ってるさなか、私はふと足を止めた。

階段の途中に何かあったのだ。

それはぱっと見ですぐにわかった。



折り畳まれた千円札だったのだ。





今の私には急いで快速に乗らなければという思考しかなかったのだが、この出来事に遭遇した事により、私は一旦その思考をなくす事ができた。

私はそれを拾い、駅員のいる場所をしばらく探した。

そしてようやく見つけてそこに預けてもらったのだった。

見覚えの参考にするために一応拾った場所も伝えておいた。





快速はすぐには来なかった。

ようやく乗れる快速が来たのは、それから10分後の事だった。

私の判断は正しかったと言っていいかもしれない。

誰かが拾う、もしくは持ち主が気付いて戻ってくるだろうという理由で最初はそのままにしておこうと思ったからだ。

だが、場合によっては誰かが持ち去る危険性もあるというのもあったので、それを前提に今回実行したとも言っていい。

私が今回これを大胆に実行したのはそれが千円札という大きな落とし物だったからとも言っていいかもしれない。

小さい落とし物は毎回見かけるが、今回のような落とし物は滅多に、もしくはあるまじき事。

それに何より、私もそういう大きな落とし物を実際に経験しているのだ。

その時は落とした場所の人が拾って届け出てくれたので事なきを得ている。

それが今活かされたのかもしれない。

もし、その経験がなかったら、盗み取る事はないまでも、拾って届け出る事はなかったと言えるのだから…

私が届け出た千円札が持ち主に帰ってる事を祈っている。

私が体験した事のように、捜し求めている人の手に戻れる事を…