二人は走り続けていた。
「リッシ湖はどの辺りにあるの?」
「ここからだとトバリシティからの方が近い。急ごう!」
「うん!」
ナオキ達が今走っているのはナオキがヒカリと共にノモセシティに向かった時に通った道路だった。
ミオシティから向こうまでは海に面していたので、まずは空を飛ぶを使って移動した。
そしてお互い行った事のある町へと降り立ち今に至る。
コウキはムクバードがいたので、ムクホークだけで全員を運ばずに済んだのがムクホーク、そしてナオキにとって幸いな事だった。
シムルグ・ウイングを使いたいところだが、今は『ナオキ』としてコウキの前にいる以上はそうはいかない。
「この辺りでさっきミオシティで話していた監視員を見かけたんだ。」
「ここで?」
「そう。その前に看板でここがリッシ湖だって事も知ったんだ。」
しばらくすると、ナオキがさっき監視員を見かけた入口に着いた。
監視員の姿は既になかったが、そのかわり奥から人の声がした。
「今なら入れるみたいだね。行こう、コウキくん。」
「うん!」
コウキが大きく頷いた後、二人はリッシ湖へ突入した。
しばらく立ち並ぶ木々の情景が続いた後、その中から出口と思われる光が見えた。
ナオキ達はまっすぐ出口へと駆け込んでいった。
舞台は一転。
ナオキ達はリッシ湖に到着した。
「こ…これは…!?」
二人が目の当たりにしたのはあまりにも悲惨な光景だった。
そこは湖としての面影である水が完全になくなり、大きな窪みと化したリッシ湖の姿だった。
そこでは大量のコイキング達が力なくはねていた。
「ひでぇ…誰がこんな事を…?」
マグマラシは辺りを見回しながら言った。
「一体ここで何があったんだ…?」
ナオキはそう呟きながら前に進んだ。
「何だお前らは!?」
どこからともなく声が聞こえた。
「!」
声に反応したナオキは反射的に体制を整えた。
トライスの時の癖が現れたためであろう。
コウキも同時にモンスターボールを構えた。
声の主はしたっぱだった。
「やはり貴様らか。」
「リッシ湖に一体何をしたんだ!」
コウキが言うと団員は返答した。
「このリッシ湖を爆破してあの祠を見つけだしたのさ!」
団員は向こう側を指差した。
そこには入口らしき穴のある大きな岩山みたいな場所があった。
「ギンガ団の作った爆弾、縮めてギンガ爆弾はすごい威力だったぜ。」
「ギンガ爆弾!?」
ナオキは聞き覚えのある名前だとすぐに気付いた。
「そうか…カンナギタウンの時に使おうとしていた爆弾か…。カンナギタウンは阻止できたけどまさかここで使われるとは…。」
ナオキは迂闊だったと直に痛感した。
「湖のポケモンを捕獲する邪魔をするなら、オレ達が相手をするぜ!」
団員達が一斉にその場に集結した。
「こいつらは私達にとっては敵じゃないけど、足止めにはなりそうだな…」
ナオキの言動から、『こいつらの相手をしてる場合じゃない』と思うほど一刻を争う事態である事が伝わる。
その時、コウキが言った。
「ここはオレが相手をするよ!ナオキはあの祠へ行って伝説のポケモンを助けに行って!」
「一人で大丈夫なの?かなり大勢いるから君一人じゃ不利だよ。こいつらなら君と私達ですぐに一ひねりできるから私達も参戦するよ。」
すると、コウキは首を横に振った。
「キミがオレに言った事は実はオレも気にしてたんだ。いつまでもキミに頼ってたら立派なポケモントレーナーにはなれない…。だからそれを今ここで活かしてみせるよ!キミはキミがやるべき事をやって!」
コウキの目は本気だった。
しばらく黙り込みナオキは言った。
「…わかった。それじゃあ君に任せるよ。くれぐれも無理はしないようにね。」
「OK!」
コウキがそう言うと、ナオキは背を向けて祠に走っていった。
ナオキが去った後、コウキは団員達のいる方を向いた。
「つい勢いで言っちゃったけど…本当にオレだけで大丈夫かな…。」
コウキはまだ自信が持てないようだった。
しかし、コウキはすぐに迷いをふっ切った。
「そんな事を気にしてちゃダメだ!ナオキはもっと大変な目に合ってるんだから!」
コウキは気を引き締めてモンスターボールを構えた。
「いくぞ!」
コウキは団員達のいる方へ走っていった。
一方その頃…
ナオキ達は祠の中へ入っていった。
祠の中は辺り一面水浸しだった。
この祠は水の中にあったようである。
しばらく前に進むと、レントラーが何かに気付いた。
「ナオキ、誰かいるぞ。」
「本当だ。服装からしてギンガ団のやつに間違いないみたいだね。」
そう言うと、ナオキは辺りを見回した。
「コウキくんもいないから今がチャンスだね。」
そう言ってナオキは両手を構えた。
それと同時にナオキの体が光り、両手に光の塊が現れ、塊は姿を変えてトライスろソードになった。
ナオキはトライス・ライトに変身した。
「よし、行こう!」
「おう!」
マグマラシの返事の後、他のポケモン達もナオキに続いていった。
祠の奥で一人の男が何かを話していた。
「ミッションは順調。ボスも満足なさるだろう。全てはみんなのために、そして、ギンガ団のために!」
声の主がそう言い終えた時…
「そこにいるやつ!ここで何をしている!」
後ろから声が聞こえた。
声の主はその声に気付き後ろを向いた。
そこにナオキ達がいた。
「お前の顔を知ってるぞ!ハクタイのギンガ団アジトに乗り込んできたやつだな?」
「ほぅ…初対面のくせに私の事を知っているとは…。私もかなりの要注意人物にされてるってわけだ。」
声の主は青い髪をしており、ジュンヤの少し小さくなったような髪型をしていた。
「フッ、ジュピターも情けない!こんな若憎に負けるとはな!だが、ギンガ団を邪魔するならどんな可能性でもこのギンガ団幹部のボク『サターン』が潰す!」
サターンはモンスターボールを構えた。
「貴様なら名乗る程の者に相当するね。こんな悪行を行う奴はこの私、トライスと私の仲間達が黙っちゃいないぜ!」
ナオキはトライス・ソードを構え、マグマラシ達も戦闘体勢に入った。
「いけ!ドーミラー、ユンゲラー!」
サターンは同時に二つのボールを投げた。
ボールが同時に開き、銅鏡のような姿をしたポケモンと片手にスプーンを持った狐のようなポケモンが姿を表した。
「一体は見た事ないけど、見た目からして鋼タイプだろうね。マグマラシ、お願いするよ。」
「まかせろ!」
マグマラシが前に出た。
「ユンゲラーはエスパーだから、レントラーだね。」
「オレの出番だな。まかせてよ!」
レントラーが前に出た。
「オレは今回出番なしか。」
「正確には私もだけどね。」
「そうだな。」
ナオキは前を向いた。
「それじゃあ、バトルスタートといこうか。」
「聞いた話によればお前自身も戦いに出ると言っているようだが、まあいい。」
サターンも戦闘体制になった。
「いくぞ!ドーミラー、神通力!ユンゲラー、念力だ!」
ドーミラーとユンゲラーがお互い似た技を放った。
「ぐっ!」
強い念動がマグマラシとレントラーを襲う。
「先手とはやってくれるね。次は私達の番だ!」
マグマラシとレントラーは体制を立て直した。
「マグマラシ、ドーミラーに火炎放射!レントラーはユンゲラーにかみ砕く!」
「OK!まかせろ!」
「今度はオレ達の番だぜ!」
マグマラシとレントラーはそれぞれの技で応戦した。
「かわせ!」
ドーミラーとユンゲラーは素早い動きで何とかかわした。
「チッ、幹部だけに一筋縄じゃいかないっか。」
マグマラシは地面に着地した。
「ドーミラー、神通力だ!」
ドーミラーが再び神通力をマグマラシにぶつけた。
「ぐっ!」
「マグマラシ!」
レントラーがマグマラシに言った。
「レントラー、よけて!」
ナオキがそう言った時、ユンゲラーがサイコカッターをぶつけてきた。
「おっと!」
レントラーは何とかかわした。
「今までの幹部とは桁外れの強さというわけだね…」
ナオキは納得したように言った。
その様子には多少の焦りが見えていた。
「…けど、私達だって負けないよ!」
ナオキは体制を立て直してマグマラシとレントラーに言った。
「マグマラシ、レントラー、私が合図をしたら技をぶつけて!技はさっきの技でね!」
「わかったぜ!」
「何か作戦があるんだね。わかった!」
マグマラシとレントラーは体制を整えた。
「ドーミラー、神通力!ユンゲラー、念力!」
サターンが合図をした瞬間…
「…!」
ナオキの中に一筋の閃光が過ぎった。
「今だ!」
ナオキがそう言った瞬間、マグマラシとレントラーが一斉に飛び掛かった。
「火炎放射!」
「かみ砕く!」
二人の技が同時にサターンのポケモンに襲い掛かった。
マグマラシはドーミラーに、レントラーはユンゲラーにそれぞれ技をぶつけた。
ドーミラーは防御の暇もないまま、マグマラシの火炎放射にひと呑みされた。
ユンゲラーの懐にレントラーは渾身の勢いでかみついた。
「なんだと!?」
全ては閃光のごとく、一瞬だった。
ドーミラーは皿を地面に落としたかのようにその場に倒れた。
ユンゲラーもそれとほぼ同時にその場に仰向けに倒れた。
マグマラシとレントラーは同時に着地した。
「やったぜ!」
サターンは一瞬呆然とした。
さっきまで自分はナオキも焦るほど追い詰めていた。
だが、それが一転して一気に逆転負けとなったからだ。
「どういう事なんだ…?」
「貴様のポケモンは、動きが素早いけど、技を放つ時にわずかな隙ができる。あの素早さじゃあ、技を使わない防御体制になれば攻撃を簡単によけられる事に気付いたんだ。だったら、防御体制が崩れる攻撃の瞬間を狙ったのさ。」
わずかな隙を見逃さない。
戦いにおいて忘れてはならない事だ。
サターンはユンゲラーとドーミラーをボールに戻した。
「少しはやるようだな。ならこっちも少し本気を出す事にするか…。」
サターンはモンスターボールを取り出し、新たなポケモンを繰り出した。
「こ…このポケモンは?」
出てきたポケモンはナオキ達が今まで見た事もないポケモンだった。
人のような形をして、体は細身で、両腕の肘に相当する部分がまるで刃のように鋭利な形をしている。
そのポケモンは殺気に満ちたような目つきをしながら両腕を構えた。
「ここからが本当の勝負だ。見せてもらおうか、ギンガ団にたてつく程の実力を…」
祠の中は中にいる者にしかわからない気配を含んだ静寂に包まれていた。
「リッシ湖はどの辺りにあるの?」
「ここからだとトバリシティからの方が近い。急ごう!」
「うん!」
ナオキ達が今走っているのはナオキがヒカリと共にノモセシティに向かった時に通った道路だった。
ミオシティから向こうまでは海に面していたので、まずは空を飛ぶを使って移動した。
そしてお互い行った事のある町へと降り立ち今に至る。
コウキはムクバードがいたので、ムクホークだけで全員を運ばずに済んだのがムクホーク、そしてナオキにとって幸いな事だった。
シムルグ・ウイングを使いたいところだが、今は『ナオキ』としてコウキの前にいる以上はそうはいかない。
「この辺りでさっきミオシティで話していた監視員を見かけたんだ。」
「ここで?」
「そう。その前に看板でここがリッシ湖だって事も知ったんだ。」
しばらくすると、ナオキがさっき監視員を見かけた入口に着いた。
監視員の姿は既になかったが、そのかわり奥から人の声がした。
「今なら入れるみたいだね。行こう、コウキくん。」
「うん!」
コウキが大きく頷いた後、二人はリッシ湖へ突入した。
しばらく立ち並ぶ木々の情景が続いた後、その中から出口と思われる光が見えた。
ナオキ達はまっすぐ出口へと駆け込んでいった。
舞台は一転。
ナオキ達はリッシ湖に到着した。
「こ…これは…!?」
二人が目の当たりにしたのはあまりにも悲惨な光景だった。
そこは湖としての面影である水が完全になくなり、大きな窪みと化したリッシ湖の姿だった。
そこでは大量のコイキング達が力なくはねていた。
「ひでぇ…誰がこんな事を…?」
マグマラシは辺りを見回しながら言った。
「一体ここで何があったんだ…?」
ナオキはそう呟きながら前に進んだ。
「何だお前らは!?」
どこからともなく声が聞こえた。
「!」
声に反応したナオキは反射的に体制を整えた。
トライスの時の癖が現れたためであろう。
コウキも同時にモンスターボールを構えた。
声の主はしたっぱだった。
「やはり貴様らか。」
「リッシ湖に一体何をしたんだ!」
コウキが言うと団員は返答した。
「このリッシ湖を爆破してあの祠を見つけだしたのさ!」
団員は向こう側を指差した。
そこには入口らしき穴のある大きな岩山みたいな場所があった。
「ギンガ団の作った爆弾、縮めてギンガ爆弾はすごい威力だったぜ。」
「ギンガ爆弾!?」
ナオキは聞き覚えのある名前だとすぐに気付いた。
「そうか…カンナギタウンの時に使おうとしていた爆弾か…。カンナギタウンは阻止できたけどまさかここで使われるとは…。」
ナオキは迂闊だったと直に痛感した。
「湖のポケモンを捕獲する邪魔をするなら、オレ達が相手をするぜ!」
団員達が一斉にその場に集結した。
「こいつらは私達にとっては敵じゃないけど、足止めにはなりそうだな…」
ナオキの言動から、『こいつらの相手をしてる場合じゃない』と思うほど一刻を争う事態である事が伝わる。
その時、コウキが言った。
「ここはオレが相手をするよ!ナオキはあの祠へ行って伝説のポケモンを助けに行って!」
「一人で大丈夫なの?かなり大勢いるから君一人じゃ不利だよ。こいつらなら君と私達ですぐに一ひねりできるから私達も参戦するよ。」
すると、コウキは首を横に振った。
「キミがオレに言った事は実はオレも気にしてたんだ。いつまでもキミに頼ってたら立派なポケモントレーナーにはなれない…。だからそれを今ここで活かしてみせるよ!キミはキミがやるべき事をやって!」
コウキの目は本気だった。
しばらく黙り込みナオキは言った。
「…わかった。それじゃあ君に任せるよ。くれぐれも無理はしないようにね。」
「OK!」
コウキがそう言うと、ナオキは背を向けて祠に走っていった。
ナオキが去った後、コウキは団員達のいる方を向いた。
「つい勢いで言っちゃったけど…本当にオレだけで大丈夫かな…。」
コウキはまだ自信が持てないようだった。
しかし、コウキはすぐに迷いをふっ切った。
「そんな事を気にしてちゃダメだ!ナオキはもっと大変な目に合ってるんだから!」
コウキは気を引き締めてモンスターボールを構えた。
「いくぞ!」
コウキは団員達のいる方へ走っていった。
一方その頃…
ナオキ達は祠の中へ入っていった。
祠の中は辺り一面水浸しだった。
この祠は水の中にあったようである。
しばらく前に進むと、レントラーが何かに気付いた。
「ナオキ、誰かいるぞ。」
「本当だ。服装からしてギンガ団のやつに間違いないみたいだね。」
そう言うと、ナオキは辺りを見回した。
「コウキくんもいないから今がチャンスだね。」
そう言ってナオキは両手を構えた。
それと同時にナオキの体が光り、両手に光の塊が現れ、塊は姿を変えてトライスろソードになった。
ナオキはトライス・ライトに変身した。
「よし、行こう!」
「おう!」
マグマラシの返事の後、他のポケモン達もナオキに続いていった。
祠の奥で一人の男が何かを話していた。
「ミッションは順調。ボスも満足なさるだろう。全てはみんなのために、そして、ギンガ団のために!」
声の主がそう言い終えた時…
「そこにいるやつ!ここで何をしている!」
後ろから声が聞こえた。
声の主はその声に気付き後ろを向いた。
そこにナオキ達がいた。
「お前の顔を知ってるぞ!ハクタイのギンガ団アジトに乗り込んできたやつだな?」
「ほぅ…初対面のくせに私の事を知っているとは…。私もかなりの要注意人物にされてるってわけだ。」
声の主は青い髪をしており、ジュンヤの少し小さくなったような髪型をしていた。
「フッ、ジュピターも情けない!こんな若憎に負けるとはな!だが、ギンガ団を邪魔するならどんな可能性でもこのギンガ団幹部のボク『サターン』が潰す!」
サターンはモンスターボールを構えた。
「貴様なら名乗る程の者に相当するね。こんな悪行を行う奴はこの私、トライスと私の仲間達が黙っちゃいないぜ!」
ナオキはトライス・ソードを構え、マグマラシ達も戦闘体勢に入った。
「いけ!ドーミラー、ユンゲラー!」
サターンは同時に二つのボールを投げた。
ボールが同時に開き、銅鏡のような姿をしたポケモンと片手にスプーンを持った狐のようなポケモンが姿を表した。
「一体は見た事ないけど、見た目からして鋼タイプだろうね。マグマラシ、お願いするよ。」
「まかせろ!」
マグマラシが前に出た。
「ユンゲラーはエスパーだから、レントラーだね。」
「オレの出番だな。まかせてよ!」
レントラーが前に出た。
「オレは今回出番なしか。」
「正確には私もだけどね。」
「そうだな。」
ナオキは前を向いた。
「それじゃあ、バトルスタートといこうか。」
「聞いた話によればお前自身も戦いに出ると言っているようだが、まあいい。」
サターンも戦闘体制になった。
「いくぞ!ドーミラー、神通力!ユンゲラー、念力だ!」
ドーミラーとユンゲラーがお互い似た技を放った。
「ぐっ!」
強い念動がマグマラシとレントラーを襲う。
「先手とはやってくれるね。次は私達の番だ!」
マグマラシとレントラーは体制を立て直した。
「マグマラシ、ドーミラーに火炎放射!レントラーはユンゲラーにかみ砕く!」
「OK!まかせろ!」
「今度はオレ達の番だぜ!」
マグマラシとレントラーはそれぞれの技で応戦した。
「かわせ!」
ドーミラーとユンゲラーは素早い動きで何とかかわした。
「チッ、幹部だけに一筋縄じゃいかないっか。」
マグマラシは地面に着地した。
「ドーミラー、神通力だ!」
ドーミラーが再び神通力をマグマラシにぶつけた。
「ぐっ!」
「マグマラシ!」
レントラーがマグマラシに言った。
「レントラー、よけて!」
ナオキがそう言った時、ユンゲラーがサイコカッターをぶつけてきた。
「おっと!」
レントラーは何とかかわした。
「今までの幹部とは桁外れの強さというわけだね…」
ナオキは納得したように言った。
その様子には多少の焦りが見えていた。
「…けど、私達だって負けないよ!」
ナオキは体制を立て直してマグマラシとレントラーに言った。
「マグマラシ、レントラー、私が合図をしたら技をぶつけて!技はさっきの技でね!」
「わかったぜ!」
「何か作戦があるんだね。わかった!」
マグマラシとレントラーは体制を整えた。
「ドーミラー、神通力!ユンゲラー、念力!」
サターンが合図をした瞬間…
「…!」
ナオキの中に一筋の閃光が過ぎった。
「今だ!」
ナオキがそう言った瞬間、マグマラシとレントラーが一斉に飛び掛かった。
「火炎放射!」
「かみ砕く!」
二人の技が同時にサターンのポケモンに襲い掛かった。
マグマラシはドーミラーに、レントラーはユンゲラーにそれぞれ技をぶつけた。
ドーミラーは防御の暇もないまま、マグマラシの火炎放射にひと呑みされた。
ユンゲラーの懐にレントラーは渾身の勢いでかみついた。
「なんだと!?」
全ては閃光のごとく、一瞬だった。
ドーミラーは皿を地面に落としたかのようにその場に倒れた。
ユンゲラーもそれとほぼ同時にその場に仰向けに倒れた。
マグマラシとレントラーは同時に着地した。
「やったぜ!」
サターンは一瞬呆然とした。
さっきまで自分はナオキも焦るほど追い詰めていた。
だが、それが一転して一気に逆転負けとなったからだ。
「どういう事なんだ…?」
「貴様のポケモンは、動きが素早いけど、技を放つ時にわずかな隙ができる。あの素早さじゃあ、技を使わない防御体制になれば攻撃を簡単によけられる事に気付いたんだ。だったら、防御体制が崩れる攻撃の瞬間を狙ったのさ。」
わずかな隙を見逃さない。
戦いにおいて忘れてはならない事だ。
サターンはユンゲラーとドーミラーをボールに戻した。
「少しはやるようだな。ならこっちも少し本気を出す事にするか…。」
サターンはモンスターボールを取り出し、新たなポケモンを繰り出した。
「こ…このポケモンは?」
出てきたポケモンはナオキ達が今まで見た事もないポケモンだった。
人のような形をして、体は細身で、両腕の肘に相当する部分がまるで刃のように鋭利な形をしている。
そのポケモンは殺気に満ちたような目つきをしながら両腕を構えた。
「ここからが本当の勝負だ。見せてもらおうか、ギンガ団にたてつく程の実力を…」
祠の中は中にいる者にしかわからない気配を含んだ静寂に包まれていた。