二人は2階へ続く階段を駆け上がっていった。
2階に来た時、二人は辺りを見回した。
「次の部屋に続く道は……あっちだ!行こう、マグマラシ!」
「おう!行くぜ!」
二人は同時に走り出した。
立ち止まる事なく、二人は全力疾走で部屋の入口がある場所へ向かった。
部屋の入口が近づく。
二人は真っ先に部屋に突入した。
二人が入ると、そこにいた誰かが二人のいる方を向いた。
「噂に聞いた通りみたいね。さすがはマーズを倒しただけの事はあるわね。」
「次の幹部は貴様のようだな。」
ナオキは鞘におさめていたトライスソードを抜き取り、構えた。
「町の人達、そして貴様の部下から話は聞かせてもらった。貴様がポケモンを誘拐した張本人のようだな。」
「ナオキ、あっちにポケモンがたくさんいるぜ!」
マグマラシが 指した方向には檻に閉じ込められたたくさんのポケモン達がいた。
「これで事実は明らかになったというわけだね。」
ナオキは幹部の方を向いた。
「というわけで、マーズと同じ目に合いたくなかったら、貴様らが誘拐したポケモン達を解放してもらおうか。まあ、貴様の返事は見えてるけどね。」
幹部は『読まれてるようね』というようにクスッと笑い、ナオキに言った。
「見えてるならあなたもわかってるはずよ。誘拐したポケモン達を解放してほしかったら、私とポケモンバトルをして勝つ事だって事をね。」
「そうとわかれば話は早い。マグマラシ!」
「おう、行くぜ!」
マグマラシは前に出た。
「マグマラシ、いざとなったら私に任せてね。今回はコウキくんがいないから、少してこずるかもしれないから油断しないようにね。」
「任せとけよ!今回はオレだけで何とかなるぜ。」
マグマラシはかなり余裕を持っていた。
「そう…?それならいいけど…。」
ナオキは少し不安げな様子で言った。
「それじゃあよろしく頼むよ。ただくれぐれも油断はしないようにね。」
「おう!行くぜ!!」
マグマラシはそう言って前に出た。
「見た事のないポケモンね。そのポケモンをボスに持っていったら、ボスも喜ぶに違いないわ。」
幹部のこの一言を聞いた瞬間、ナオキは表情を一変させた。
「やれるか!!行くよ、マグマラシ!」
マグマラシは小さく微笑み、こくりと頷いた。
「自己紹介がまだだったわね。私は『ジュピター』。マーズと同じギンガ団幹部の一人よ。」
「私の名は『トライス』。強いて言うなら、貴様がマーズが聞いた通りだ。」
「いくわよ。ズバット、スカタンク、出てきなさい!」
ジュピターはモンスターボールを2つ同時に投げた。
同時に2つのボールが開き、そこから2匹のポケモンが出現した。
「もう一方は見た事のないポケモンだね。マグマラシ!」
「いくぜ!!」
マグマラシが先に前に出た。
「ズバット、かみつく!」
ズバットがマグマラシに襲い掛かった。
「おっと!」
マグマラシはひらりとかわした。
「マグマラシ、火炎放射!」
ナオキのこの一言と共にマグマラシは背中と額の炎を一回り大きく燃え上がらせた。
「くらえ!」
マグマラシは口から激しい炎を吹き出した。
ズバットは避ける間もなく、マグマラシの放った火炎放射に飲み込まれた。
「ぎゃあああ!!」
マグマラシはズバットが火炎放射をくらったのと同時に地面に着地した。
「どうだ!」
マグマラシは自信あり気な様子で言った。
その時、ナオキがぴくりと反応した。
「…! マグマラシ、後ろ!」
「!?」
マグマラシは後ろを振り返った。
そこからスカタンクが襲い掛かってきた。
「スカタンク、つじぎり!」
スカタンクはマグマラシに切り掛かった。
「ガッ!!」
「マグマラシ!」
マグマラシはスカタンクの斬撃をくらい、遠くに飛ばされた。
「ズバットに攻撃をくらわせた事に気を抜いちゃったようね。私のズバットはまだ倒れてないわよ。」
ジュピターはこのスキを狙い、ズバットにいいキズぐすりを使った。
「ぐっ…まだ倒れてなかったのか…。」
マグマラシは何とか立ち上がれるような様子で身を起こしながら言った。
「勝負はまだこれからよ。スカタンク、えんまく!」
スカタンクは黒い煙を出した。
「げほっ…!えんまくだと…?」
マグマラシはあっという間に煙幕に覆われた。
「今よ!ズバット、つばさでうつ!スカタンク、つじぎり!」
「ど…どこから来やがる!?」
マグマラシは周りを見渡したが、真っ暗で何も見えなかった。
「!?」
マグマラシが何かに気付いた。
だが、それはもう手遅れに等しかった。
マグマラシのすぐ側まで来た2匹のポケモンはマグマラシに同時に攻撃をぶつけた。
「ぐあ!!!」
マグマラシの身に2つの痛みが同時に襲った。
一方、煙幕の外では…
「マグマラシ…。」
ナオキは煙幕の中でマグマラシが何をされているのか微かに感じていた。
「もう終わり?マーズも困ったものね。こんな相手にてこずるなんて。」
「くっ…。」
ナオキは煙幕の中を見た。
そこからわずかながらマグマラシの身が危険にさられているのを感じた。
「マグマラシ…待っててね!」
そう言ってナオキは前に向かって走り出していった。
煙幕の中。
マグマラシは全身傷だらけな状態で倒れていた。
まだ戦えるようだが、あと一撃受けたら一巻の終わりに等しかった。
「くっ…煙幕で周りが見えねえ…。どうすりゃいいんだ…。」
マグマラシがそう言った時、煙幕の中から声が聞こえた。
「そろそろトドメをさしてあげるわ。ズバット、スカタンク!」
「くっ…。」
マグマラシはもはや対処する手段がない事を悟るようにその場にペタンと崩れた。
「ズバット、つばさでうつ!スカタンク、つじぎり!」
ザシュ!!!
2匹の攻撃がマグマラシを襲った。
煙幕の外。
ジュピターが攻撃をくらった音を聞くと小さく笑うような表情をして言った。
「勝負ありね。」
ジュピターがそう言った時ー煙幕がひいていった。
少しずつ煙幕によって隠されていた環境が明らかになっていく。
その時…
「…!?」
ジュピターは目の前の環境を見て一瞬自分の目を疑った。
煙幕がひき、環境が明らかになった。
そこにはズバット、スカタンク、マグマラシ、そして…ナオキの姿があった。
2匹は呆然としていた。
そこにあったのはマグマラシを庇うように倒れているナオキの姿だった。
ナオキの背中にはつばさでうつを受けた傷、そしておびただしい量の血を流しているつじぎりによる傷があった。
「ナ…ナオキ。」
マグマラシは2匹以上に呆然とした様子でナオキを見た。
ナオキは口から血を吐き出した。
「ナオキ!」
マグマラシは立ち上がり、ナオキの前に寄った。
ナオキはマグマラシの方を向いた。
「マグマラシ…大丈夫だった…?君に任せ過ぎちゃった事を許してくれないかな…?」
何でナオキが謝らなきゃならないんだという気持ちと共にマグマラシは言った。
「何でだよ!何でこんな無茶をするんだよナオキ!」
マグマラシの目から大粒の涙がボロボロと流れ出た。
「あなた正気なの?ポケモンの技を自分から受けるなんて?」
ジュピターがそう言うと、ナオキは言った。
「正気だ。私はこの力を持っている以上、ポケモンと同格の立場…。ポケモンがやられているところをただ黙って見てる事なんてできはしない。」
ナオキはトライスソードを杖にするような形で立ち上がった。
「ポケモンバトルを見る度に私は思っていた。ポケモンはかなり痛い思いをしてるのに、人間はただ命令をしてるのはどうなのかって…。私にはそういうやり方はポケモンに悪いような気がしてならなかったんだ。」
マグマラシはナオキの方を向いた。
「ナオキ!」
泣きながらナオキに言ったマグマラシにナオキは言った。
「君がやられているところを見てるのは私には耐えられなかった…。これは無茶な事かもしれないけど、私には当たり前の事だと思うんだ。『護る者』であるガーディアンとして…そして大事なパートナーとしてはね。」
「ナオキ…。」
マグマラシはただナオキを見ていた。
その目からは時折たまっていた涙がつたうように流れた。
「私も君の力になりたい。ただ君を指示をしてるんじゃなくて、君と一緒に戦うという形で…。」
マグマラシは、ナオキに言った。
「一緒に…戦ってくれるのか…?」
吐き出された血の跡をふき、ナオキはこくりと頷いた。
「一緒に戦おう、マグマラシ。」
「…ああ!」
マグマラシは大きく頷いた。
二人はジュピターの方を向いた。
「お涙ちょうだいのトレーナー愛みたいだけど、何度やったって同じ事よ。」
ジュピターがそう言った時、ナオキは言った。
「それはどうかな。」
そう言うと、ナオキはマグマラシの方を向いた。
マグマラシはこくりと頷いた。
「行くぞ!」
二人は同時に飛び掛かった。
「スカタンク、えんまく!」
スカタンクが黒い煙を発した。
しかし、次の瞬間…
ゴオオオオオ!
急にどこからか強い風が吹いてきた。
その風により、煙幕はすぐに消えた。
「な!?」
ジュピターはア然とした。
「カード真拳奥義『デザートストーム』。強化用が基本だけど、こういう使い方もあるのさ。」
そう言ってナオキはトライスソードを構えた。
「トライス・ライトニング!」
「ぎゃああああああ!!」
ズバットを激しい雷が襲った。
ズバットは一撃で戦闘不能になった。
「な?どういう事?」
「『デザートストーム』は攻撃を上げる代わりに防御を下げる効果がある。ズバットはその効果対象だったからダメージが上がったのさ。」
「く…スカタンク、つじぎり!」
スカタンクの斬撃が襲い掛かる。
「無駄だ!」
二人はひらりとかわした。
「マグマラシ、後は君にまかせるよ。」
「…ああ!」
マグマラシはこくりと頷き、スカタンクの方を向いた。
マグマラシは走りだした。
「もうそのマグマラシは虫の息よ!スカタンク、やっておしまい!」
スカタンクもマグマラシの方に走っていった。
(へっ…虫の息はオレの方じゃねえよ。)
マグマラシはちらりと瞳を動かした。
再び瞳を前に向け、マグマラシは体制を整えた。
「いくぜ!!」
マグマラシは背中と額の炎を燃え上がらせた。
その燃え上がり方はさっきよりも一回りも二回りも大きかった。
「くらえ!!」
マグマラシの口から火炎放射が放たれた。
その炎はさっきよりも明らかに大きく激しいものだった。
スカタンクは足がすくんで、その場で固まってしまった。
そのままスカタンクはマグマラシの炎に飲み込まれていった。
辺りは静寂に包まれていた。
ジュピターの前には黒焦げになって戦闘不能になったスカタンクが転がっていた。
ジュピターは2匹のポケモンをモンスターボールに戻した。
「ふうん…強いのね。いいわ。ポケモン像の調査も終わった。発電所のエネルギーもマーズが集めた事だし。1つだけ教えてあげる。」
「?」
「ボスは伝説のポケモンの神話を調べ伝説のポケモンの力でシンオウ地方を支配する。」
「シンオウ地方を支配する…?」
「そうよ。だからあなた、ギンガ団に逆らうのはやめておきなさい。では失礼。」
そう言い残し、ジュピターと団員はその場から去っていった。
2階に来た時、二人は辺りを見回した。
「次の部屋に続く道は……あっちだ!行こう、マグマラシ!」
「おう!行くぜ!」
二人は同時に走り出した。
立ち止まる事なく、二人は全力疾走で部屋の入口がある場所へ向かった。
部屋の入口が近づく。
二人は真っ先に部屋に突入した。
二人が入ると、そこにいた誰かが二人のいる方を向いた。
「噂に聞いた通りみたいね。さすがはマーズを倒しただけの事はあるわね。」
「次の幹部は貴様のようだな。」
ナオキは鞘におさめていたトライスソードを抜き取り、構えた。
「町の人達、そして貴様の部下から話は聞かせてもらった。貴様がポケモンを誘拐した張本人のようだな。」
「ナオキ、あっちにポケモンがたくさんいるぜ!」
マグマラシが 指した方向には檻に閉じ込められたたくさんのポケモン達がいた。
「これで事実は明らかになったというわけだね。」
ナオキは幹部の方を向いた。
「というわけで、マーズと同じ目に合いたくなかったら、貴様らが誘拐したポケモン達を解放してもらおうか。まあ、貴様の返事は見えてるけどね。」
幹部は『読まれてるようね』というようにクスッと笑い、ナオキに言った。
「見えてるならあなたもわかってるはずよ。誘拐したポケモン達を解放してほしかったら、私とポケモンバトルをして勝つ事だって事をね。」
「そうとわかれば話は早い。マグマラシ!」
「おう、行くぜ!」
マグマラシは前に出た。
「マグマラシ、いざとなったら私に任せてね。今回はコウキくんがいないから、少してこずるかもしれないから油断しないようにね。」
「任せとけよ!今回はオレだけで何とかなるぜ。」
マグマラシはかなり余裕を持っていた。
「そう…?それならいいけど…。」
ナオキは少し不安げな様子で言った。
「それじゃあよろしく頼むよ。ただくれぐれも油断はしないようにね。」
「おう!行くぜ!!」
マグマラシはそう言って前に出た。
「見た事のないポケモンね。そのポケモンをボスに持っていったら、ボスも喜ぶに違いないわ。」
幹部のこの一言を聞いた瞬間、ナオキは表情を一変させた。
「やれるか!!行くよ、マグマラシ!」
マグマラシは小さく微笑み、こくりと頷いた。
「自己紹介がまだだったわね。私は『ジュピター』。マーズと同じギンガ団幹部の一人よ。」
「私の名は『トライス』。強いて言うなら、貴様がマーズが聞いた通りだ。」
「いくわよ。ズバット、スカタンク、出てきなさい!」
ジュピターはモンスターボールを2つ同時に投げた。
同時に2つのボールが開き、そこから2匹のポケモンが出現した。
「もう一方は見た事のないポケモンだね。マグマラシ!」
「いくぜ!!」
マグマラシが先に前に出た。
「ズバット、かみつく!」
ズバットがマグマラシに襲い掛かった。
「おっと!」
マグマラシはひらりとかわした。
「マグマラシ、火炎放射!」
ナオキのこの一言と共にマグマラシは背中と額の炎を一回り大きく燃え上がらせた。
「くらえ!」
マグマラシは口から激しい炎を吹き出した。
ズバットは避ける間もなく、マグマラシの放った火炎放射に飲み込まれた。
「ぎゃあああ!!」
マグマラシはズバットが火炎放射をくらったのと同時に地面に着地した。
「どうだ!」
マグマラシは自信あり気な様子で言った。
その時、ナオキがぴくりと反応した。
「…! マグマラシ、後ろ!」
「!?」
マグマラシは後ろを振り返った。
そこからスカタンクが襲い掛かってきた。
「スカタンク、つじぎり!」
スカタンクはマグマラシに切り掛かった。
「ガッ!!」
「マグマラシ!」
マグマラシはスカタンクの斬撃をくらい、遠くに飛ばされた。
「ズバットに攻撃をくらわせた事に気を抜いちゃったようね。私のズバットはまだ倒れてないわよ。」
ジュピターはこのスキを狙い、ズバットにいいキズぐすりを使った。
「ぐっ…まだ倒れてなかったのか…。」
マグマラシは何とか立ち上がれるような様子で身を起こしながら言った。
「勝負はまだこれからよ。スカタンク、えんまく!」
スカタンクは黒い煙を出した。
「げほっ…!えんまくだと…?」
マグマラシはあっという間に煙幕に覆われた。
「今よ!ズバット、つばさでうつ!スカタンク、つじぎり!」
「ど…どこから来やがる!?」
マグマラシは周りを見渡したが、真っ暗で何も見えなかった。
「!?」
マグマラシが何かに気付いた。
だが、それはもう手遅れに等しかった。
マグマラシのすぐ側まで来た2匹のポケモンはマグマラシに同時に攻撃をぶつけた。
「ぐあ!!!」
マグマラシの身に2つの痛みが同時に襲った。
一方、煙幕の外では…
「マグマラシ…。」
ナオキは煙幕の中でマグマラシが何をされているのか微かに感じていた。
「もう終わり?マーズも困ったものね。こんな相手にてこずるなんて。」
「くっ…。」
ナオキは煙幕の中を見た。
そこからわずかながらマグマラシの身が危険にさられているのを感じた。
「マグマラシ…待っててね!」
そう言ってナオキは前に向かって走り出していった。
煙幕の中。
マグマラシは全身傷だらけな状態で倒れていた。
まだ戦えるようだが、あと一撃受けたら一巻の終わりに等しかった。
「くっ…煙幕で周りが見えねえ…。どうすりゃいいんだ…。」
マグマラシがそう言った時、煙幕の中から声が聞こえた。
「そろそろトドメをさしてあげるわ。ズバット、スカタンク!」
「くっ…。」
マグマラシはもはや対処する手段がない事を悟るようにその場にペタンと崩れた。
「ズバット、つばさでうつ!スカタンク、つじぎり!」
ザシュ!!!
2匹の攻撃がマグマラシを襲った。
煙幕の外。
ジュピターが攻撃をくらった音を聞くと小さく笑うような表情をして言った。
「勝負ありね。」
ジュピターがそう言った時ー煙幕がひいていった。
少しずつ煙幕によって隠されていた環境が明らかになっていく。
その時…
「…!?」
ジュピターは目の前の環境を見て一瞬自分の目を疑った。
煙幕がひき、環境が明らかになった。
そこにはズバット、スカタンク、マグマラシ、そして…ナオキの姿があった。
2匹は呆然としていた。
そこにあったのはマグマラシを庇うように倒れているナオキの姿だった。
ナオキの背中にはつばさでうつを受けた傷、そしておびただしい量の血を流しているつじぎりによる傷があった。
「ナ…ナオキ。」
マグマラシは2匹以上に呆然とした様子でナオキを見た。
ナオキは口から血を吐き出した。
「ナオキ!」
マグマラシは立ち上がり、ナオキの前に寄った。
ナオキはマグマラシの方を向いた。
「マグマラシ…大丈夫だった…?君に任せ過ぎちゃった事を許してくれないかな…?」
何でナオキが謝らなきゃならないんだという気持ちと共にマグマラシは言った。
「何でだよ!何でこんな無茶をするんだよナオキ!」
マグマラシの目から大粒の涙がボロボロと流れ出た。
「あなた正気なの?ポケモンの技を自分から受けるなんて?」
ジュピターがそう言うと、ナオキは言った。
「正気だ。私はこの力を持っている以上、ポケモンと同格の立場…。ポケモンがやられているところをただ黙って見てる事なんてできはしない。」
ナオキはトライスソードを杖にするような形で立ち上がった。
「ポケモンバトルを見る度に私は思っていた。ポケモンはかなり痛い思いをしてるのに、人間はただ命令をしてるのはどうなのかって…。私にはそういうやり方はポケモンに悪いような気がしてならなかったんだ。」
マグマラシはナオキの方を向いた。
「ナオキ!」
泣きながらナオキに言ったマグマラシにナオキは言った。
「君がやられているところを見てるのは私には耐えられなかった…。これは無茶な事かもしれないけど、私には当たり前の事だと思うんだ。『護る者』であるガーディアンとして…そして大事なパートナーとしてはね。」
「ナオキ…。」
マグマラシはただナオキを見ていた。
その目からは時折たまっていた涙がつたうように流れた。
「私も君の力になりたい。ただ君を指示をしてるんじゃなくて、君と一緒に戦うという形で…。」
マグマラシは、ナオキに言った。
「一緒に…戦ってくれるのか…?」
吐き出された血の跡をふき、ナオキはこくりと頷いた。
「一緒に戦おう、マグマラシ。」
「…ああ!」
マグマラシは大きく頷いた。
二人はジュピターの方を向いた。
「お涙ちょうだいのトレーナー愛みたいだけど、何度やったって同じ事よ。」
ジュピターがそう言った時、ナオキは言った。
「それはどうかな。」
そう言うと、ナオキはマグマラシの方を向いた。
マグマラシはこくりと頷いた。
「行くぞ!」
二人は同時に飛び掛かった。
「スカタンク、えんまく!」
スカタンクが黒い煙を発した。
しかし、次の瞬間…
ゴオオオオオ!
急にどこからか強い風が吹いてきた。
その風により、煙幕はすぐに消えた。
「な!?」
ジュピターはア然とした。
「カード真拳奥義『デザートストーム』。強化用が基本だけど、こういう使い方もあるのさ。」
そう言ってナオキはトライスソードを構えた。
「トライス・ライトニング!」
「ぎゃああああああ!!」
ズバットを激しい雷が襲った。
ズバットは一撃で戦闘不能になった。
「な?どういう事?」
「『デザートストーム』は攻撃を上げる代わりに防御を下げる効果がある。ズバットはその効果対象だったからダメージが上がったのさ。」
「く…スカタンク、つじぎり!」
スカタンクの斬撃が襲い掛かる。
「無駄だ!」
二人はひらりとかわした。
「マグマラシ、後は君にまかせるよ。」
「…ああ!」
マグマラシはこくりと頷き、スカタンクの方を向いた。
マグマラシは走りだした。
「もうそのマグマラシは虫の息よ!スカタンク、やっておしまい!」
スカタンクもマグマラシの方に走っていった。
(へっ…虫の息はオレの方じゃねえよ。)
マグマラシはちらりと瞳を動かした。
再び瞳を前に向け、マグマラシは体制を整えた。
「いくぜ!!」
マグマラシは背中と額の炎を燃え上がらせた。
その燃え上がり方はさっきよりも一回りも二回りも大きかった。
「くらえ!!」
マグマラシの口から火炎放射が放たれた。
その炎はさっきよりも明らかに大きく激しいものだった。
スカタンクは足がすくんで、その場で固まってしまった。
そのままスカタンクはマグマラシの炎に飲み込まれていった。
辺りは静寂に包まれていた。
ジュピターの前には黒焦げになって戦闘不能になったスカタンクが転がっていた。
ジュピターは2匹のポケモンをモンスターボールに戻した。
「ふうん…強いのね。いいわ。ポケモン像の調査も終わった。発電所のエネルギーもマーズが集めた事だし。1つだけ教えてあげる。」
「?」
「ボスは伝説のポケモンの神話を調べ伝説のポケモンの力でシンオウ地方を支配する。」
「シンオウ地方を支配する…?」
「そうよ。だからあなた、ギンガ団に逆らうのはやめておきなさい。では失礼。」
そう言い残し、ジュピターと団員はその場から去っていった。