後期試験6日目。

とりあえずこれで事態は一時終息するわけだが、まだ終わったわけではないので気を抜きすぎてはならない。

明日はついに幕張メッセのイベントに参加する以上はなおさらの事である。



今日の試験は刑法各論だった。


設問は2つあり、その中から私は『定食屋で法律の議論に夢中になり、代金を支払うのを忘れて、店員もそれに気付かずにその人達を店から出した後、Aがそれに気付き、払ってくると言ったが、行きつけなんだから今回は見逃してくれるよとBに言われ、結局支払わずその場を後にして、その後に犬に吠えられ、腹を立てたAがその犬に石を投げてその犬を執拗に追い掛けて他人の家の敷地内に門を開けて入って追い掛けたあげく、家の陰に隠れたため諦めて帰っていった。犬は多数石をぶつけられたが、怪我はなかった。この時、Aの罪責はどうなるか』を選んだ。

これは先生の実話が含まれているとの事だ。


一見して窃盗か詐欺罪になるように思えるが、実はこれには一部条件の欠落があり、これについては罪に問われないのである。

窃盗が成り立つには、『最初からそれを占有する意思があった』という構成要件がなくてはならない。

今回のケースでは、『議論に夢中になって支払うのを忘れていた』とあり、最初から食い逃げするつもりはなかったという事が推測できる。

また、後になって支払う事を思い出して支払いに行こうとした所から、支払いの意思があったという事も推測できる。

また、店員は忘れていたとはいえ、支払いの請求をしなかったために、ABと定食屋には債権が生じていない事になり、根拠の一つである契約違反にもならない。

そのため、ABの定食屋に対する行為は罪には問われない事になるのだ。


まあ、それを理由に似たような事をしても信用されないだろうが…



一方、犬に対しては、犬に石を投げ付ける行為はかなり執拗に行われており、ここから故意である事が推測される。

だが、最終的に犬に怪我を負わせる事まで発展しておらず、飼い主もその事を告訴してないため、器物損壊に問われる事もない。

そして敷地内に侵入した事については、例え家の内部ではないにせよ、敷地内もその一部として扱われるため、住居侵入罪が成立する事になる。

また、これは親告罪ではないため、例え告訴しなくても罪責は成立する事になる。

よって、Aの罪責は住居侵入罪となり、3年以下の懲役もしくは10万円以下の罰金に処されるという事になる。


という答えにしたのだが、これを先生がどう受け入れてくれるかが問題となる。


試験を終えた後、私は学校を後にして駅に向かった。

今日はお台場に行く前に行かなくてはならない場所がある。

都営三田線に乗り、私は目的地を目指した。