ブラッキーは夜道を歩いていた。

そこへ誰かが草影に隠れていた。

夜泣きポケモンのムウマだった。

「ブラッキーがきたわね。ウフフ…ちょうどいいわ。驚かしちゃお。」

そう言ってムウマは先回りした。






ブラッキーは模様を光らせながら夜道を歩き続けていた。

「夜はオレにとっては活動時期だけど、今日は月明かりが弱いな…。月よりもオレが発してる光の方が光が強いみたいだし…。曇りなのかな…。」

ブラッキーは月明かりがエネルギー源であるが故に月の様子にはかなり敏感のようである。

月明かりはある事はあるのだが、影ができる程の明るさではなかった。

「クレセリアもルナトーンも見かけないし、そろそろアスカのところに帰るか…。」

ブラッキーがそう呟いたその時…



「バアッ!!!」

ムウマがブラッキーの前に飛び出してきた。

「ヒャッ!」

ブラッキーは思わずビクッとした。

(ウフフ大成功…)

ムウマがそう思ったその時…


ピチャッ…


ムウマの目に何かがかかった。

それはブラッキーの汗だった。

「ぎゃあああ!!ブラッキーの汗が目に―――――――!!」


ムウマはブラッキーが発した声とは比べものにならないくらいの悲鳴を上げた。

ブラッキーの汗は猛毒の成分が含まれている。

それを目にくらえばたまったものではない。

ムウマはそのまま一目散に逃げていった。

ブラッキーはまだ冷や汗をかいていた。

「はぁ、びっくりした…。何だったんだ今のは…。」

一瞬の事であり、辺りは少し暗かったので、ブラッキーは何が起きたのかよくわからないようだった。

「あ…。」

ブラッキーは空を見上げた。

空は満月が姿を現していた。

「やっぱり曇りだったのか…。やっぱ月の光はいいな。もうちょっと散歩するか。」

そう言ってブラッキーは再び夜道を歩いていった。



その様子をナオキは偶然にも全て見ていた。

ナオキの手にはオボンの実がたくさんあった。

どうやら木の実を取りに行っていたようだ。

ブラッキーの様子を見てナオキは呟くように言った。

「…む…無敵だ…。」