目の前に大きな岩盤がそびえ立っていた。

一見ただの岩盤のようだが、実はある秘密があった。

ある呪文を唱える事によって扉が開くらしいのである。



triceとルカリオ部長がつかつかとその岩盤へ向かっていった。

少し遠い位置で足を止めた。

「ある呪文っていうなら、アリ○○の時みたいなやつが一番候補にあがるね。」

「ブル!」

ルカリオ部長はス二ッカーズをかじりながら頷いた。

triceも同じくス二ッカーズをかじっていた。

「ま、とにかくダメもとでやってみようかな。リル様、行こう。」

「ブル!」

ルカリオ部長は残りのス二ッカーズを口に押し込んだ。

その様子が映画のあのシーンと重なったためにtriceは一瞬ズキュンとした。


「よ、よし。じゃあ早速実行といこうか。」

「ブル?」

ルカリオ部長はなぜtriceが赤面したのかわからなかった。



「私が合図をしたら同時にやるよ。」

「ブル!」

ルカリオ部長はラジャーのポーズで返答した。

「では私も!」

triceもルカリオ部長に続けてラジャーのポーズをした。

(いい響きだなぁ…)

triceは心底そう思っていた。



「それではいざ!」

「ブル!」

二人はつかつかと歩き出した。

岩盤が近づく。

「それじゃいくよ。」

「ブル!」

ルカリオ部長がそう言うと、二人は呪文を言うスタンバイをした。

…が、その時二人は何やら不自然な行動をとった。

triceは刃渡りに稲妻を走らせた剣を構え、ルカリオ部長は両手を見覚えのある形に構えた。


そして二人は同時に言った。

「開けゴーマ!」

と同時に二人は岩盤に向かって技を放った。

ドゴオオオオオオオオン!!

triceの剣から放たれた衝撃波とルカリオ部長から放たれた波導弾が岩盤に直撃した。


岩盤は瞬く間に崩れ落ちた。


そこには通路のような空洞が続いていた。

「やはり…」という一言も言わず、二人はつかつかと中へ入っていった。

奥に向かって歩いていく時、二人の声が聞こえた。


「やっぱり『開けチェリム』か『開けスボミー』の方がよかったかな?」

「ブル。」

ルカリオ部長は、自分もそう思っていたという仕草をした。

「っていうかさっきリル様も『開けゴマ』って言ってなかった?私の声と重なってて聞き取れなかったけど…。」

ルカリオ部長はギクッという仕草をした。

「ブル!ブルル!ブル!」

ルカリオ部長は「気のせいだよ」という事を言っているような動作をした。

「そう。ならいいけど。」

triceは小さく微笑みながら言った。

二人はあらためて奥へと進んでいった。


その様子をコウキとヒカリは見ていた。

コウキは呟くように言った。

「…二人に呪文で開く扉は関係ないんだね…。」

「あれが二人にとっての『開けゴマ』って事なのね…。」

ロバートさん達はもはやなんも言えねぇというような様子だった。

言えるとしたらこれだけだった。

(…なぜにルカリオ部長は波導弾を使えたんだ…?)