アニメ映画の方は実にスマートなプレゼンテーションで
自分の中ではジブリ作品の筆頭にあがります。
金曜ロードショーで何度か観て解った気にはなっているのですが
実際の所、風の谷とペジテとトルメキアの位置関係も歴史的背景もよく知らないまま。
続編は作られるものと期待してた時期はあったのですが
宮崎監督は「二度とやらん。」くらいのコメントをされたとかで
どういう大人の事情があったのかもわからず
追ってノート大のコミックが7冊出たことは承知しておったのですが
最初の数ページをパラパラ見るに
(『ハトよ天まで』や『カムイ伝』ほどではないにしろ)字が多くて
小説に親切な絵がついているくらいの感覚で読む気がないと読破できん、と
ずっと逃げておりました。
昨年の冬あたりから徒歩圏の図書館に通うようになり
なんとも残念な話なのですが大抵どこも歯が欠けたように全巻は揃ってなくて
それでも行った先行った先で1冊ずつ見つけては読みまして
ようやく7巻まで一周できました。
舞台はユーラシア大陸の西の方の半島っぽくてオスマントルコ・リスペクト?
ですが
情報過多でにわかの私には整理がつきません。
アニメとコミックがこうも違うとは! という衝撃しかありません。
理解が追いついていないのを承知で言いますと
コミックの方はなんといいますかビターエンドでありまして
大衆迎合のハッピーエンドよりは作家性が出ていい感じかと個人的には思いましたが
(一般受けしないであろうことは察しがつきます。
興行的視点から結末を曲げられでも一定の成果を上げて現在に至るのですが
もはややり直しは効かないということでしょうか。)
アスベルがいつのまにやらケチャといい感じになっていて、
でもナウシカもセルムといい感じなのでおあいこ ←いやそこじゃない
監督はとんでもないものを残していきました。
7巻まで読むとご褒美にナウシカのお風呂シーンがあるのです。 なんですとー!!
いえ、ワンカット、ツーカットのちらりです。
そもそもアニメのメーヴェの飛行態勢が履いてない疑惑.. (o゚Д゚)=◯)`3゜)∵ブッ
その後ブログや動画などでおさらいしまして
庵野秀明監督と山崎貴監督がナウシカの続編制作に手をあげているとかいないとか。
コミックの3巻以降をやるのか?
その前にアニメなのか実写なのか?
いっそ外伝にして主人公をクシャナにするのか?
何をどう組みどうまとめるのか皆目見当もつきません。
以下ネタバレ(私なりの結末の理解と感想:文字反転)
ナウシカはペジテで掘り起こされた巨神兵を伴い
火の七日間戦争以前の世界に君臨した旧人類の墓:シュワの墓所に向かった。
ナウシカはシュワの墓所で全ては作られたものであることを知る。
腐海の森は世界を浄化するシステム
王蟲は腐海の森を守り最後は菌類の苗床になると決められたやはりシステム
巨神兵は現人類の揉め事に裁定を下す、圧倒的な武力で介入する人造生物
ナウシカ達現人類も薄い瘴気の毒には耐えられる様に遺伝子操作を施されたもので
実は浄化が完全に終わった世界では生きられない身体であった。
シュワの墓所には完全に浄化された世界でのみ生きられる旧人類の卵(コールドスリープ?)が貯蔵されていた。
が
これまでに闇に飲まれかけ光(楽園)にも飲まれかけながら戻ってきたナウシカは
闇のない世界に光もまたない、と一蹴
巨神兵の力を借りてシュワの墓所を破壊した。ええええー
世界は陰と陽でできているとする解釈には同意できるのですが
人はもちろん動物にも蟲にも愛情を注ぐあのナウシカが卵に対しては容赦なかった!
ここがちょっと私には消化不良です。
御都合旧人類が許せなかった のか?
これがナウシカの闇≒意思 なのか?
トロッコ問題でありがちな、
近しい人、縁のある人には重みがつくが自分が死んだ後に生まれてくる人は知ったこっちゃねーよ?
なので今すぐとは言わないものの浄化が終われば全滅エンドがやってくるという
(クシャナがトルメキアを、チククが土鬼をいかに再興させようとも)
なんとも救いのない物語でありました。
いえ、個人的には嫌いじゃないんですがね。