trauma
イタリアの名家生まれの男性が、飲酒運転で崖から転落死した。この事故を調査したキートンは、その男性の母親・ベルニーニ夫人の屋敷を訪れる。夫人が孫のフローラ――亡くなった男性の娘――を自分の下で育てると主張しているのだ。フローラの親権は、彼女の母であるジーナにある。キートンはフローラを連れて、ジーナの暮らすフランスはマルセイユに向かう。
「一人の人間が自分以外の人のために、人生の幸せの何分の一かでも犠牲にすることは、大変なことなんだ。たとえ、親と子でも・・・・・・」。自身も別れた妻との間の子を持つキートンが、フローラを諭して言った言葉である。
「MASTERキートン」の著者・浦沢直樹氏は、連載終了後のインタビューで、キートンの妻についてこう語っている。「(キートンの妻が)キートンから離れていったのはキートンに愛想が尽きたのではなくって、実はキートンが家庭に縛られないように、自由を与えたんじゃないか」と。
誰しもが、人生の可能性を少しずつ削りながら毎日を送っている。そんな生活の中から何を得、どう成長して行くか――これは人間にとって生涯の難題である。
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