優しい言葉が

胸を擦り抜けていく

柔い日差しの下で

君の瞳を仰ぎ見る


まるで夢の様だった

並んだ木陰の縁

撥ねた水明りの畔

温かな掌が僕の手を取り

先を歩いていく


痛みを感じようと

寂しさは感じなかった

悲しみが胸に満ちようと

苦しみが胸に落ちる事はなかった

それがどれだけの幸せか


どれだけの事が

僕を巣食い、掬い、救い。

安らかに眠れど

その瞳に焼き付く夜の帳に

僕は忘れてかけていた

確かな熱を思い出した


優しさに眠る

その胸の内に問いかける

熱を孕んだ嘯きに

僕は気付かないふりで


日差しに目を細める

君の瞳の温度でさえ

微かに溶けていく

彩りの墓場に

離れていく言葉を選んだ


幸せに満ち足りた愛は

君に届ける手向けへと

振り返る必要も

先を見る必要も

ないのだと嘘吐いて

気付き目を伏せ笑う

それすらも哀へ近付く


それでよかったと

夢の様な日々を

歩んでいく幸せを

僕が君と在れる幸せを

ただ只管に願った。