預けた胸の痛みを
僕は思い出せずに
遠ざかる背中と
冷えたままの指先に
泣いていたって
何も変わりはしないだろう
光を辿る夢の中で
隠れていても
足取りは重く引き摺る
揺らいだままの瞳も
歪んだままの視界も
何一つ世界を変えれずに
蟠ったままの感情を抱えた
その足を掴んだのは
一体誰の言葉だったか
忘れない様に仕舞った筈の
最初に口付けた音は
何処にも行けないままに
行方知れずになった
その言葉の先の意味を
傷付けないまま
僕は伝えられるだろうか
その痛みを共に並べて
指差した胸の中を
僕は「感傷」と名付けた
きっと許されも
思い出しもしないだろう
その胸に引っ提げたまま
向けた切っ先の意味も
その瞳が笑った理由も
何一つ分からないまま