忘れたとは思えない程
その熱量は僕の身体に残る
爪痕は静かに抱かれる
君のその両腕は
何の為の箍だったのか
今ではもう分からないまま
置いていかれた花束の
その香りの後先に
誰かの面影を見た
思い出せるかなんて
微かな朧に夢も見ないで
言えるわけがないだろう?
だって笑えもしないのに
その瞳に映る絶望を
僕の胸に残していく
傷痕は柔らかに眠る
赤く引き攣った口元を
乾いた眼窩に覗く
哀しいだけの世界をなぞる
その足音が遠ざかる明日と
忘れてしまった昨日と
一体どちらが残酷なのか
分かりはしないけれど
君の胸元に眠る花束を
僕が貰い受ける頃には
絶望が足を取るだろう
その枷の重みのまま
沈んでいってしまえたら
きっと笑えるだろうか
手向けられた哀願の所有を
二人で分けあえたときには。