大切にしたいと

抱きしめた腕は

何時からか愛玩を慈しみ

摩り替わった愛情の果てを

見失ってしまった


誰も見てはいない

誰も聞いてはいない

全ての最果ての行方を

拾い集めては壊して


枯れてしまうだけの言葉なら

最初から必要なかったのに

罪悪の積み木を崩して

美しいだけのハリボテが

少しずつ歪んでいく

どれが正しかったなんて

最初から一つしかないのに


腕の中で死んでいく

哀願の骸を抱き締めて

優しいだけの世界に

別れを告げる

落ちていく天秤と

既に失われた均衡に

泣き笑いにも似た

懺悔を向けた


草臥れた心の先で

夢見た理想郷を殺める

千切れ折れた心は

きっと今は夢を見ない


全てが終わって

最愛を閉じ込めた感情が

何時か昇華出来る様に

貴方を愛した事を

全て愛せる様に


最愛に、捧げる。