眼から溶け出す

淡い雫が

少しずつ冷えていく

何を得られたのか

何を求めたのか

それすらも

あやふやになって


千切れた言葉は

継ぎはぎだらけで

曖昧な感情ほど

遠くに弾き出す

優しいだろう

そんな世界を

何時だって夢見て


紛れ途切れ続く

この足音は

望みを選んで

ぬかるんでは

足を取られる

それでも只管に

前だけを見ていても


枯れた声は

喉を引き裂いて

感情のままに

言葉を吐き出す

冷たく尖る

穿った言葉は

心に柔く突き刺さって


幼い孤独は

柔らかな死に包まれて

このまま消えてしまっても

何一つ変わらないさ

この二つの硝子玉も

小さく灯る沫光も

きっと、変わらないさ


そうやって笑って

それでも眼が

映す世界の色彩を

僕は知らないままだろう


優しい世界は

僕にはあまりに脆く

愛おしいだけの

夢に過ぎないから