足元から崩れ去る

欲に塗れた汚い其れを

僕は一つ、呑み込んだ


薄くぼやけたガラス越しの

その瞳の意味なんて

僕は知らないんだよ


知らないんだよ。


投げ出した日常が

宙に浮かんで、

それで、

それで。


踏切を飛び越えた

緩やかな風は

落ちていけと背を押す

僕はどうでもいいよ

どうなったって、

何も関係ないだろう


陣取りの様な曖昧さで

確かなものを望んでは

正当性を両手で差し出した

嘘が腕に絡み付く

離れないのは

僕は選んだからで


欲が喉を詰まらせる

膝が汚れて蹲る

漸く、だなんて

そんな簡単な言葉で、


日常が溶けていく

喉の奥で、

変わらない何かを。