落ちていくその音を

僕は遠くから見ていた


悲しくはない

寂しくもない

ただ小さな空白と

焼き付いた光景が

何時までも其処にあるだけで


問いかけた問いの答えは

いまだに見付からないまま

優しいだけの世界を終える


それは燃える様な茜に

大きく息を吸い込んだ後で

もう元には戻れないと

言い聞かせた僕の胸の内を

静かに解いていく様で


それは落ちていくだけの

優しさを引き連れていたから


僕は見ないふりをして

悲しみも寂しさも

君には何一つ分けたくはなかった

僕だけでよかったんだって

そうやって埋め合わせて

愛を語るには安い言葉で

終わらせる事が出来るのなら


まだその答えは知らないまま

それでも君は口を開いた


茜が群青に溶けていく

焼き付いた光景は

今も胸に残ったまま