掻い潜った高架下

誰も居ない人影を追う

その右手を翳す

眩んだ世界に

人の群れが追い越してく


まるで表情がないんです

能面の様な顔で

誰も彼も前を向いて

それでも僕は此処で

独り俯いているんだ


足元蠢く影は

連れていかれてしまうから

引き摺った足跡を

延々追いかけた


高架下の雑踏を

縫う様に進む

まるで想像の世界だ

追い越した人は

誰も僕を気にしない


例えば僕が死んだって

誰も気にしないで

横目でも見てくれない

たった一人の心が

僕を求めて彷徨って

高架下の影の中

僕は独り膝を抱える

その裏側では

一体誰が泣いていた?


眩しいくらいの光は

僕の瞳を刺していく

繰り返した瞬きの向こうで

暗いままの世界が

静かに鎮座していた


走り抜けた先では

いつも通りの風景があって

僕の手は何時までも空いたままで

それでも僕は此処に居るのだと

どうしてか涙が出てくるんだ