夢を語るその口で

最初に嘘を張り付けて

白く尾を引く水面は

茶色く濁ったまま


埋めた口元は

愛を失って

一人を知る程に

独りは死んでいく

まるで夢の中の様で


揺れては溶ける

本当の言葉も

赤く染め上げた

掠れた布目も

どれもこれも

柔らかな愛を語る


知らないでおいてよ

簡単に掻き消える

擦り切れた靴底を

静かに蹴り上げて

両手に抱いては

擦り抜けていく

マグカップの底に


まるで愛の様で

自由は殺されて

翼は毟られた

愛した二つの瞳は

返してあげない

それが信じた先で

夢を語る世界の果て


変わらないモノを

二人で生きていく

茶色く沈んだ

言葉を選ばないで

マグカップは罅割れる

まるで愛などないように