引き裂いた腕の中で

もがいて足掻いて

ただ只管に傷付いて

それでも笑う貴方を

私は静かに見ていた


その傷を抱くには

どれだけの強さがあれば

良かったのだろうと

何度も何度も思って

私は私を殺していく


たったの一度も触れずに

突き放した心が

何もかもを失くした痛みに

耐えきれずに泣いてしまうから


信じる事は容易く

また、裏切る事も容易い

一人で生きていく事も

ある時は正しく容易く

そして何よりも辛く苦しい事を

私は知っていた

それは知ってる痛みだった


この腕の中で夢を見て

貴方が泣いてくれる事を

私は夢見続けて

きっと愛し続けるのだろうと

溢れ出た心を掬って

遠くの海原へ手離す

それで良かった


どれだけの強さと

弱さを選んだとしても

私はもう此処へは戻らない


愛し続ける為の強さは

優しく丁寧に手折るから