何も知らない様に

一人夢見る事

揺られた吊り革の奥

窓に映る顔は

殺した感情が見付からないと

泣いている子供の顔で


不明確な輪郭と

曖昧なままの言葉と

あやふやになっていく

凍えた心を置いて


走り出したバスを背に

僕は何を知ってるのか

それすらも知らないで

何処にも行けないで

恥ずかしいままに顔を隠して

探していた筈の感情も

夢を見ていた筈の夢で


落ちていく理想が

君と二人で逃げ出す為に

錆付いた釦の様に

開かなくなってしまって


寄り添う二人に

静かに手を振って

一人此処に置いていこう

揺られた吊り革の奥

悲しいだけの景色を通る


バスは何処へでも行こうか

外した釦は夢の中で