目元に引き落とすゴーグル

灰色の視界を青で埋め尽くす

何も知らないでいい

雑居の大群の隙間を縫って

倒れる虚像の悲しみに触れる


絶望の合間を覗いて

誰が救われた?

それは酷く綺麗な

空の高さを選んだ

幽かに見開いた瞳は

鈍色の鏡に映される

それはまるで悲しみと一緒で


痛みも辛さも

何一つ知らなければ

優しさで殺す様な真似

する必要なんてなかった


苦しみが後をひいて

両手に残された

曖昧な感情は

きっと寂しいだけの

雑踏の群集心理


嗚呼、その瞳を踏み付ける

どれほどの痛みなものか

誰だって選ばないのに

その腕を伸ばした先で

ゴーグルに映した

空の青さは何処まで遥かに?


溶かした残酷な空の嘘に

飛べもしない背中の羽で

ヘッドフォンが外れたままの

首元に草臥れた証と

美しいだけの世界の

残酷な有り様で


傷付ける事を厭わないで




「少年は虚構の空に色をつける」