焼き付いた光景
伸ばした両の手だって
遠くへ行ってしまったんだろう?
温いまま浸り続けて
目蓋は重たく張り付く
安いインクの上で
君がさよならと手を振る
指先でなぞる虚しさは
消えてしまうだろうか?
手を繋いで
離さないでいて
切らした息の先で
溶けてしまえたら
笑ってくれよ
泣き出したい程には
君と向き合えるだろうから
泣かないでくれよ
滲んだインクの端で
君が笑っている
膝を抱えたまま
離れていく両の手を想う
嗚呼、優しい風景は
何時しか忘れてしまうだろう
それでいいんだ、
それが、いいんだ。