そこに置いてきた

名前のない感情を

僕は知っているよ

ふわりと浮かんでは

きっと簡単に消えてしまう

泡沫の夢のようだ

寂しくはないよ、

だって君が知っているから


誰も彼も置いていく

小さく鳴らした靴音も

伸ばした爪も

もう気付かないけど


檻の中で冷たく横たわる

眠たい感情を忘れて

上手に出来た筈の

作り笑いですら

きっと心に蟠って

並べては弾いた

幻のようだから


もう明日がやってくるよ

置いてきたはずのそれが

たくさん涙を流して

悲しくはないんだよ

寂しくもないけど

ただきっと忘れてしまう

そう、忘れてしまうことが

辛いんだと思う。


君が知っていることも

僕が忘れたことも

それでいいんだ。


きっと。