腕一杯に思い出を抱えて
差し出す最後の果実に
訳もなく泣きたくなって
小さな約束も
廃れた笑い声も
掠れてしまった背表紙に
溢れた涙が静かに伝って
一人ぼっちで語る
破れてしまった思い出に
忘れてしまった記憶が
少しだけノックをして。
変わり始めた季節の中で
君の笑顔だけが
今も思い出せなくて
溢れだしたままに放って
放物線に溶けていった
君が投げ出した言葉も全部
語るには僕はあまりにも
忘れすぎてしまった
幸せな季節が過ぎて
きっとこうして僕らは大人になる。
幸せを忘れながら
幸せに埋もれて。