ゴーグルを引き下げる

硝子越し奥に覗いた

翠の瞳は緩やかに伏せられた


「其れがそう在る為に、」


開かれた言葉の次は

誰が望んで枯れていく?

まるで罪なんてない様に

まるで罰なんてない様に


それは誰の為の言葉で

それは誰の為の行為で

傷付けたのは何時だって自分だろう?

綺麗なだけの言葉で片付けられる

そんな世界の中心で

罵倒されたのは理想論で


無理矢理に目を合わせる

標準は何時だって右ならえ左で

その頭を打ち抜いたのは

誰かの理想を掲げたスコープで


正義なんて何処にも在りやしない

犠牲の上で成り立つ正義の

痛みは誰にも分かりやしない


蒼の空想はきっと

その手を血に染めるには惜しく、

赤の現実は誰よりも厳しく

何よりも当たり前の真実を、

黄色の幻想は

きっと何よりも美しい


綺麗事だけを並べた世界で

正義を撃ち殺したこの掌で

翠の瞳を伏せる


理想を語るには

この世界は汚すぎた

そう在る為の力は

何よりも騙る事が上手になりすぎた


まるで滑稽な道化師の様に

諦める事に慣れた頭じゃ

何一つ変える事なんで出来やしない

手を引かれ歩き続けた

引き摺られてばかりの思考じゃ

誰も救う事なんで出来やしない


嗚呼、まるで、「そう」在る為に。