逃げる事は、したくなくて
「まるで夢みたいだ」
君がそう言うから
僕は、何も言えなかったんだ。
壊れていく君を見つけるたび
いっそ罵ってくれよ、なんて
言える筈もない言葉が
胸の中に満ちていくから
何も無い様な顔して
優しさに触れる君を見ると
訳もなく泣きたくなるんだ
もし、これが嘘だったなら。
そんな『もしも』を重ねて
一人勝手に虚しくなって
君が前を向くと
僕は俯いてしまうんだ
歩き出すには
少し弱くなりすぎた
君の背中が
少し悲しいな、
なんて。
やっぱり言えるわけなくて
泣きたい気持ちを押し殺して
その背中を叩く事くらい
許されるのかな
独りっきりの罪悪は
僕を殺そうとするけど。
君が、笑ってる。
そんな未来があるなら
それも良いなんて。
馬鹿みたいに単純で
短絡的な思考回路でも
君が「夢みたいだ」なんて笑うから
僕は何も言えず
君と笑う事しか出来なかったんだ。